都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

質より量?

外食をしていると、サービスのつもりでしょう「ご飯、大盛りにできますけど」なんて言われることが、よくあります。

外見で判断しているらしく、誰にでもする声がけではありません。バスで席を譲る感じ。

だけど、太っているからと言って、たくさん食べるとは限らない。

石塚英彦氏がそうです。グルメ番組で美味しそうに食べるけど、大食いチャレンジは決してしません。

むしろ、太ってる人は、いろんな病気を気にしているので食に慎重です。

人生80年として、一生の間の食事の回数が八万回。たったの八万回なので、大事にしなければならないのです。

 

大きな声で「大盛りにできますよ」って言われるよりも、小声で「あなた、太ってますね」と言われる方がマシです。

私、歪んでますかねぇ?

 

 

 

外連

大相撲を見ていたら、解説の北の富士さんが隆の勝関の相撲を指して「ケレン味のない相撲」だと言ってました。

「ハァ?」

意味がわからなくて調べたところ、ケレン味がないとは歌舞伎の言葉で真面目だとかごまかしがないとかの意味で使われるんだそうです。

この言葉が面白いのは、芸能の世界ではケレン味がないことを代わりばえがしないとか、新味に欠けたとか、平板であるとか、プラス評価にならないってことです。

うーん。

私の理解では、真面目とは融通が利かないということで、決して良い意味ではないんですが、伝統ある相撲の世界ではねぇ。

同じことを見ても、評価が正反対になるってのは、面白い話なのであります。

 

不良が絶対にやらないこと

高校時代、アメフトをやろうとしてヘルメットが入らず体育系を断念した私は将棋部に入部し、ほとんど勉強もせずに寸暇を惜しんでパチパチやっておりました。

マチュア三段とそこそこ強かったので、ちょっとだけプロ棋士になりたいと思ったこともあります。

愛読書は、今は廃刊となった『月刊近代将棋』で、電車通学の際にカバンから取り出しては、穴の開くほど読んでおりました。

スマホもパソコンもない時代、遠回りをしながらも、考え続けることがまた、心地よくもあったのです。勉強するより全然楽しい。

強くなるためには、実戦(対局)あるのみ。街の道場へも通い、腕を磨きます。

だから、地方都市にいると、将棋は強くなりません。ほとんどの強豪は、東京・大阪に集まっておりました。

ところが、インターネットの時代を迎え、人工知能の進化と共に様相がガラリと変わりました。相手なんか、ネットを通じればいくらでもいる。

かくして、トップクラスの棋士が、田舎から出てくることも珍しくなくなったのです。

 

ファンもしかり。

将棋は、テレビやラジオよりも、ネットとの相性が良く、観戦するだけのファンも着実に増えています。

土日に行われた朝日杯トーナメントは、プロによる丁寧な解説を交え、ネット配信されました。

もともと無観客の将棋の対局は、コロナなんて関係ありません。

お金もかからないし、理想的な趣味なのであります。

 

千丈の堤も蟻の一穴から

今週から始まる予定だったラグビートップリーグ開幕が延期になりました。

サントリー東芝など、五つのチームでクラスター感染が認められたためです。

これは、ラグビー競技の特殊性というよりも、集団生活の中での意識に違いがあることによるものと思われます。

例えば、家庭内でマスクを外している家族は多いと思いますが、そんな感じ。

外部との接触を必要最小限とされるあまり、家飲み、グループ飲みみたいなストレス解消があるでしょう。そこに隙が生まれるわけです。

一日に100人レベルの感染では、そう簡単に当たらなかったもののその20倍以上ですからね。無症状の感染者が、そこらじゅうにいるわけです。

だから、油断していると一気に拡がります。仲間うちになったときのこまめな手洗い、マスクの着用。

そう考えたとき、プロ野球のキャンプが危ない。一ヶ月間、一緒に暮らすので、緊張感を維持しようとすると、それはそれで精神的なバランスがおかしくなるのでは?

オリンピックなんて、夢のまた夢。できるわけないのであります。冬季五輪を控える中国は、やりたがるだろうけどねぇ。

 

好きにさせるかッ!

インターネットの登場によって、テレビはそのポジションを脅かされています。

テレビを見ながら、ネットを操作することが難しいからです。

同じように、ラジオも共存が難しかったんだけど、散髪屋さんやタクシードライバーなど、対象を明確にすることで生き残ってきました。

深夜放送からもわかるように、勉強や仕事をしながらでも、共存可能な媒体、それがラジオです。

 

私が唯一楽しみにしているのが、毎週木曜日の午後8時にNHKで流れる『東京03の好きにさせるかッ!』です。

この番組は、コントユニット東京03が、ゲストを招いて書き下ろしのコントを披露しつつ、トークを行うというものですが、そのゲストはお笑い芸人に限らず、声優・役者・アイドルなどが招かれており、演劇論や役者魂、プロ意識などを熱く語っています。

お酒が入っていないので、ブレーキがかかっているものの、公演後の打上げに参加したような気持ちになるので、心地良い時間を楽しめます。

私はこれを聴き逃し配信で湯船に浸かりながら聴くのが習慣です。何かしながら聞くのがラジオ。それは今も変わっておりません。

 

神様の裏の顔

お笑い芸人のユニットは、メンバー中の一人が台本を書いています。

爆笑問題だったら太田光、東京03だったら飯塚悟志、3時のヒロインだったら福田麻貴、いわゆるネタ担当です。

普通に暮らしていると、そんなに面白いことが転がっているわけではありませんから、新作を生み出すのに、なかなか苦労しているんじゃないかと思います。

売れれば売れるほど時間がなくなって、本業で舞台に立たなくなる。そういうもの。

一方で、売れてない芸人の場合、必死に書き上げたネタが受けないのは致命傷です。夢破れて、解散してしまうグループも数知れず。

このとき、ネタを書いていた人は、作家になろうと考えたりします。

 

2014年の横溝正史ミステリ大賞を受賞した『神様の裏の顔』(角川文庫)は、藤崎翔氏の作品です。

同氏は、高校卒業後、お笑い芸人となるもNHKの『爆笑オンエアバトル』に5回挑戦して1回のオンエアのみという体たらく。その後、コンビを解散して、清掃業のアルバイトをしながら小説家を目指したということでした。

この作品は、入れ替わり立ち替わり、登場人物の独白形式で進むので、演劇の舞台脚本を読んでいるような気にさせられます。

文章は、語彙が少なくて繰り返し使用される言葉が多いので、表現に深みがありませんが、流石にコント作家だけあって、筋立てが巧妙で、全く繋がりのない話を統合させていくテクニックは秀逸でありました。83点。

 

教場

木村拓哉主演のニ夜連続正月ドラマに刺激を受けて、『風間教場』(長岡弘樹著・小学館)を読みました。

教場シリーズ四作目の本編は、校長交替に伴って中途退校者をゼロにせよとの指示を受けたため、従来とは真逆の方針を打ち出さざるを得ず、優しさをもって生徒に接しておりました。

なんか、『ロッキー4』を観たような、ネタ切れって感じです。

実際はどうなんでしょうね。男性的な考えが支配する閉鎖的な空間に女性がいる場合、それもそこそこ魅力的だったりした場合、しかも半年近く寝食を共にした場合、規律は乱れると思います。

保険会社時代、新入社員研修で二ヶ月合宿生活を行うと、高確率でカップルが成立しておりました。

普通のビジネスマンならば、プライベートは別だって言えるんだけど、常に緊張を強いられる警察官が修行中の場合、据え膳食っちゃダメではないかと。うーん、邪魔だね、教場の男女共学。

文章もゴツゴツしていて、女性心理がうまいこと描かれていませんでした。前作までは、面白かったんだけど。65点。