都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ジェンダーレス

山口県で暮らしていると、春先のこの時期、花粉と共に襲ってくる厄介者が黄砂です。

屋外駐車だと、色の濃いクルマはどうにもならなくなる。いくら無頓着な人でも洗車します。

関東地方や太平洋側では、それほど話題になりませんが、西日本では深刻です。

大気中にそういうものが含まれているなんて、いい気持ちはしませんね。

それを避ける意味でも、マスクは効果アリと思います。

喘息などの呼吸器系の疾患を未然に防いでいるのは、間違いないでしょう。

そう、冬から春にかけてのマスクは、定着しましたね。コロナが終息しても、日傘みたいな位置付けとなりそうです。

持ち物が増えることに、女性はあまり抵抗がないと思いますが、男子的には切替えが必要です。

その昔、トイレの後、ハンカチ使ってるオトコは一割前後だったけど、そういう時代じゃありません。

ポシェットみたいなのを使い出すんでしょうね、きっと。

ルッキズム

角野卓造じゃねーよ」で売り出したハリセンボンの近藤春菜は、その後「ステラおばさんじゃねーよ」「シュレックじゃねーよ」「スーザンボイルじゃねーよ」と次々にバリエーションを増やしていきました。究極は「いくつになった?」というフリに「37歳です」と普通に答え、「じゃ、平均寿命を超えたんだ」と言わせてから「ブタじゃねーよ」と返すお約束芸に昇華させています。

いや、ブタと言ったのは本人だから、この場合はセーフですか?

 

吉本新喜劇では、容姿イジリを基本として台本を作り上げてきました。

身長149センチの池乃めだかは、舞台へ登場しても目線が違うことから、誰の目にも止まらないことをウリにしています。

座長の酒井藍は、そのふくよかな体型をブタだとかタンクローリーとか言わせてから、ツッコミます。

浅香あき恵に至っては、登場するなりみんなから「ブッサイクやなぁ〜」と言われ、「オーマイゴッド」と返します。否定せず。

どうなんでしょうねぇ?

そういうのを全否定すると、表現が難しい。お行儀が良過ぎるのって、面白くなくなりますよ。少なくとも、本人が了解している中でのやり取りはアリなんじゃないでしょうか?
場所を弁えるのは当然ですが、アイデアを出すのもダメ、考えたこと自体が問題だとする言葉狩りは、違うと思います。

 

そのうち「美しすぎる弁護士」みたいなのもセクハラだってことになるかもしれませんよ。

見たかったなぁ、開会式での渡辺直美のダンス。ブタの扮装はともかくも、世界中をアッと言わせたに違いないと妄想しています。

任侠学園

読書の初心者だったころ、『仁義なき戦い』のアンチテーゼとして登場した小林信彦氏の『唐獅子株式会社』(新潮文庫)に出会いました。

ヤクザの親分が、思いつきで社内報を発行することから始まるんだけど、これが面白い。

この業界は、絶対的なトップダウンなので、決定プロセスのスピード感に胸が空きます。スーッとする。それに、ブレませんからね、ヤクザ。

無茶苦茶な命令に対し、右往左往しながらも何とかしようとする組員ってのも、サラリーマン世界に通じるものがあります。

安倍さんはともかくも、麻生さんは読んでそうなストーリーではありました。ヤクザが堂々と闊歩していた時代のパロディ小説です。

 

で、時は流れて、暴対法が出来上がると、世の中はグッと息苦しくなります。

善良な市民を装った個人主義者はタチが悪い。ルールでカバーしきれないスキを突いて、多数の力で弱者をいたぶろうとします。

そこへ立ち上がるのが、阿岐本雄蔵親分の『任侠学園』(今野敏著・中公文庫)です。

潰れかかった学園の再建に向けて、理事長として乗り込んだ阿岐本組が、素人さんに手を上げることなく、改革に着手する展開。これは、大人向けの童話です。暴走族出身の『サラリーマン金太郎』より、はるかに共感できました。

それにしても、一昨日の『ラブライブ』といい、少子化の影響による学校経営の深刻さをひしひしと感じます。

そういう問題意識もまた、魅力なのでありました。『隠蔽捜査』シリーズの今野敏氏とは思えない、平易な文体も爽快です。文句なしの一気読み。95点。

熱血先生

パ・リーグに不思議な監督がいます。

それは、日本ハム栗山英樹監督(バツなし独身59歳)です。

監督コーチの経験がないままに、2012年、ファイターズの指揮官に就任。以来、1位→6位→3位→2位→1位→5位→3位→5位→5位と優勝を二度達成しています。

大リーグ志向だった大谷翔平口説き落とした話は有名で、趣味が読書というだけあって、言葉を持っているのが最大の強みです。

その栗山監督がスポーツ紙のインタビューに応えて、こんなことを語っていました。

 

「開幕3連戦の相手はイーグルスです。田中将大投手は第2戦に先発してくるようです。みんなが快刀乱麻を期待しているなかで、ウチがマー君に一泡吹かせたら、そりゃ、おもしろいよね。ウチの選手には『まさかマー君のことを好きに打っていいなんて思ってないよな』と言いますよ。『そんな野球でマー君に勝てますか』『この球だけ狙っていこうとか、ツーストライクまでは見ていこうとか、なりふり構わず徹底していかなきゃ、とても通用しませんよ』って。そういう野球をやらなきゃ勝てない相手がいてくれるというのは、成長する材料になるんです。すげえピッチャーの力を借りて、我々がどう成長させてもらえるか。みんなで心をひとつにしてマー君をやっつけるぞって、フォアボールを必死で取りに行く。そういう野球って、いいじゃないですか。知恵を振り絞って、野球の原点に立ち返る。そうさせてくれるのがマー君なんです」

 

ダルビッシュ田中賢介大谷翔平と有力選手が大リーグへと抜けていってもメゲることなく、闘う力を鼓舞する熱血ぶりは、少しも衰えていません。有原航平がレンジャースへと去った今季ではありますが、野村佑希、清宮幸太郎らの若手が育っており、パ・リーグの台風の目となりそうな予感がしています。

 

 

 

ラブライブ

沼津市では、若い人の転入者が増えて、他の地方都市に比べ、人口の減少傾向が緩やかになっています。

その理由として挙げられているのが、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』に感化されたと言いますから、聞いてみないとわかんないもんですね。

そう言えば、街中には原色系で気恥ずかしくなるようなペイントをされたバスが走っていて、「これは何だ?」と思っていましたが、それだったんですね。アニメの舞台が沼津市らしく、聖地巡礼だと言いながらアキバ系の人たちがカメラを手にやって来る。

だけど、登場人物のほとんどがコギャルで、顔の面積の半分を眼球が占めている感じ。恥ずかしいでしょう? 正視できません。

Wikipediaで調べるとこのアニメ、定員割れで経営困難に陥った高校の生徒たちが立ち上がり、アイドルとなって注目を浴びることで入学希望者を増やそう、そして学校を助けようとする物語らしいです。よくそんなことを思いつきますね、女子高生たち。だったら、ついでにお客が来なくて困っている高校近くの飲食店なんかも何とかしようって考えてはどうでしょう?坂上&サッシーのつぶれない店みたいな発想ですね。

いや、漫画家の脳内世界は無限なのであります。

 

先日、散歩コースで立ち寄った『阿蘭陀館』という喫茶店がまた、ドンピシャで、平日なのに、多くのお客さんで賑わっておりました。

どうやら、このお店、実名で登場しているようです。だからの聖地巡礼

ふーん、そんなんで、変わるんだ、人々の行動が。アニメもバカにできませんね。てか、この手法、いろいろ応用が効きそうです。フィクションとノンフィクションのコラボレーション。

そして、オタクは票を持っているのであります。

悪果

その昔、生命保険会社の支払い査定部門に勤めていたとき、ベテラン社員の私は保険請求をしたにも関わらず、支払えないこととなったお客様への折衝の仕事を与えられておりました。いわゆる告知義務違反というやつです。低額の保険は、加入時に医師による診察がない代わり、書面で健康状態を申告してもらうわけですが、そこへ正しく記入されていない場合、保険会社は支払い請求を拒否できます。

しかしながら、それを納得してもらうのは簡単なことでなく、電話交渉で埒があかなくなると、現地へ赴いて面談となったりします。

中でも厄介な相手は、警察関係者でした。

忘れもしないH県警の男。誰がどう見てもダメなケースと思われましたが、交渉の終わりにこんなことを言ってきたのです。

「あんたの言うことは分かった。だけど、世の中には裏と表があるんじゃないの?」

 

ゾクっとしました。

金額が定められている生保では(損保と違って)結論はゼロか百のどちらかなんだけど、会社側にも非がある場合、示談として歩み寄ることが例外的にあります。ただし、それは非を認めるわけですから、やりたくない。ましてや、そのケースは譲る余地が全くもってなかったのです。

それでも、どこかにスキがないかと諦めない。そして、裏があるのが当たり前だと。いやぁ、言葉尻も含め、舐め回すようなケチの付け方は、悪の手先にしか見えませんでした。聞けば、普段は背中に動物の絵が描いてあるおっかない人たちと向き合っているんだとか。強い言葉でえぐっては、急に優しい口調に豹変したりする。失言を引き出そうとするテクニックは、相当なものでありました。

 

黒川博行氏の『悪果』(角川文庫)は、暴力団犯罪対策係の男が主人公で、勧善懲悪とは別の価値観を提起する異色作です。

今では法律が整備されて、昔ほど酷くはないんでしょうけど、その筋の人たちと向き合って渡り合うのにお金が必要なのは間違いありません。

そういうのを経費で落とせるハズもなく、活動経費を捻出するため、現場の刑事たちは、いろんなことを考えます。そのノウハウが、たっぷり詰まっているのが本作ですが、悪いやつからだったら、不当に巻き上げてもいいと思うようになるのが怖いところ。なんか、イジメの心理と似たようなところがあって、気がつくとドキドキします。

善悪の判断は、それを見る人の場所によって、微妙に変わるものだと納得してしまいました。

それにしても、どんな生き方をしたら、こんなリアルが描けるんでしょうか? 後味も良く面白かった。88点。

 

ダイバーシティの権化

サッカーの場合、日本人の有力選手の多くは、ヨーロッパでプレーしています。

だから、Jリーグはイマイチ盛り上がりません。

外国人選手も、売出し前の若手であるか、引退前の小遣い稼ぎみたいなのしか来ないので、レベル的に疑問があります。

その割に、J 2、J3とチーム数が多いというのも、薄まってしまっているような気がします。

これに対し、ラグビーは真逆で、世界のトッププレイヤーが大挙してやって来ました。

南半球の国々がシーズンオフだということと、外国人枠が緩やかであるため、受け入れやすい環境が出来上がっています。

ビックリしますよ、見に行ったら、カタカナ表記の名前だらけで。

高校のころ留学生としてやって来て、日本に帰化している選手も多いので、グランド上に半数以上がいても、不思議なことじゃありません。

なので、ラグビートップリーグのレベルは世界水準となっています。

サントリーのボーデン・バレットなんて、サッカーで言うならば、メッシやロナウド級です。

残念なのは、コロナによって、W杯の興奮冷めやらぬ昨年のシーズンが中止で水をさされたこと。

今季は、入場者を制限しながら、おっかなびっくりで進めています。テレビも中継すればいいんだけど、視聴者が男ばっかりだとスポンサーがつかないんですかねぇ?