都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

石つぶて④

自分の保有する競走馬に「アケミタンポポ」なんて名前をつけるなんて、面白すぎると笑ってしまいました。

これが事件が起きたときの最初の感想です。中身についてよくわかっていませんでした。2001年1月に発覚した外務省機密費流用事件のことです。世の中は大混乱に陥りました。

時系列を整理しましょう。

 

1995年1月 阪神淡路大震災

1995年3月 地下鉄サリン事件

1998年6月 自社さきがけ政権解消

1998年7月 小渕内閣誕生 野田聖子が37歳の若さで郵政相就任

2000年4月 小渕総理が脳梗塞で倒れ、五人組の密室談合で森内閣誕生

2000年7月 沖縄サミット開催

2000年11月 加藤の乱 沈静化には小泉純一郎が暗躍

2001年1月 外務省機密費流用事件発覚

2001年2月 えひめ丸事件

2001年4月 小泉内閣誕生 田中真紀子が外相に

 

と、こんな感じ。政治に役者が揃っていました。今とは全然レベルが違います。

料亭が重要な舞台であったし、官官接待なんてことも非難を浴びていました。

そんな情勢の中で起きたのが外務省機密費流用事件で、政治のお金の流れについて、どこまで詳らかにするかのせめぎ合いでもあったのです。

このあたりを克明に描いたのが清武英利の『石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの』(講談社)ですが、私はWOWOWドラマでの視聴をオススメします。

佐藤浩市江口洋介の熱演ですが、こんなに面白いドラマを見たことがありません。ほとんど事実に即したノンフィクションドラマであるとの触れ込みです。十年以上経過したからこそ、明らかにできたこともあるんでしょうね。まさに、事実は小説よりも奇なり。スゴかった。

石つぶて③

小泉内閣の誕生は、2001年4月のことでした。あれから20年が経過したんですね。

このときの人事の目玉は、初の女性総理を目指す田中真紀子の外相就任で、それはもう言いたい放題、やりたい放題で、外務省はぐちゃぐちゃになりました。財務省と並ぶ二大省庁の外務官僚は、プライドの塊ですからね。真紀子節との相性の悪さは最悪で、そこかしこでぶつかりまくる。当初は、肩入れしていた小泉総理が手に負えなくなったのを、国民の多くがドラマでも見るように、楽しんでいました。

何せ言葉のチョイスが絶妙で、「凡人奇人変人」に始まって「パックン首相」「オブチさんがオダブツさん」「スカートの裾を踏んだ」などのキャッチーな言葉を残し、応援演説に行った際には「知らない人なんだから触らないでください」と松本伊代が自著PRで「読んだことがない」と並ぶ迷言を発したのが忘れられません。

だけど、何と言ってもスゴかったのは「外務省は伏魔殿」と一刀両断、バッサリ斬ったことです。

実は、彼女の就任直前に起きていたのが、機密費流用事件だったのです。

(つづく)

朗報

今年はもうダメだと諦めていたところ、秋山翔吾選手が入団するというニュースが飛び込んできました。

古巣の西武に加え、お金持ちのソフトバンクと三つ巴となったので、金銭提示額では話にならないと思っていましたが、情に訴えたのが奏功したようです。三年契約で、4億円だとか。おそらくは、半分以下でしょうね、相場観からすると。三分の一かもしれません。スゴい差があります。

決め手となったのは、「今年の戦力だけで考えてない。将来への投資。レギュラーでもベンチにいても、2軍にいてもありがたい」というメッセージ。大きな財産であるという口説き文句は、誠意ある対応を続けた歴史を持つカープ球団だからこそなんでしょうね。山口・井納・梶谷・中田を塩漬けにしている巨人には言えない言葉。

問題は、34歳という年齢です。

伸盛りの若手外野手が揃っているので、チーム内のモチベーションが気になるところですが、それ以上にプラスであるとの判断でありましょう。

野球で大切なのは、二遊間と中堅手のいわゆるセンターラインです。間違いないフェアゾーンへの打球ですから、走力も要求されるわけで、投手陣との信頼関係にも繋がるのです。ここのレギュラーは、固まっていなければならない。

三連覇を達成したときは、タナキクマルでした。

これから、秋山・菊池・小園のスーパープレーが見られると思うとゾクゾクします。強力な先発陣には、堅固なディフェンスが必須。鈍感な首脳陣に気付かせることができるでしょう。

ここからの反撃が楽しみです。

石つぶて②

2004年8月、ジャイアンツは球団代表として讀賣新聞の辣腕記者である清武英利を起用しています。

彼は、FAでの移籍や外国人選手の登用で、チーム生え抜き選手が育っていないことに危機感を抱き、広島カープを手本として育成選手制度の導入に踏み切りました。

その結果、山口鉄也投手や松本哲也外野手が新人王に輝いたことは、記憶に新しいところです。

それまでの球団首脳は本社から出向のお飾り的な人事が多く、オーナーのおもちゃみたいなところがあって、存在感がないことがいいことであるかのように捉えられていました。

だから、周囲からは球界に対して積極的に物申す姿勢を好意的に受け止められ、本人も調子に乗ったようなところもないとは言えません。

こともあろうに讀賣新聞社の天皇であるナベツネが、予め球団が決定し承認したコーチ人事に対して、頭越しに覆したことは重大なコンプライアンス違反であると、正義の味方気取りで告発したのです。

こういうの、フィクションの世界では拍手喝采なんですけど、相手が強過ぎた。

信じられないくらいの高明な弁護士軍団を組織され、全くもって主張を受け入れられず、解任の憂き目に遭いました。

以降、ジャイアンツは育成制度から撤退し、再びトレードや外国人選手に頼るようになっています。

今季の体たらくは、計画性のないダブついた高年俸の寄せ集めによる副作用で、チームの体制がバラバラになったことによるものです。

清武氏の思いを聞いてみたいところではあります。

(つづく)

石つぶて①

国会議員の第二の給与と言われる文書交通費は領収書を必要とせず、使途の報告書がいらないという不合理については、未だに解決させずに先送りとなっています。

誰が考えてもおかしいと思う問題を手をつけないで、塩漬けにするやり方に正義はありません。

当たり前のことが、当たり前でないから、国民は不審に思うのです。

モリカケ問題もそうです。死をもって抗議した赤木さんのファイルがありながら、事実の隠蔽を続けました。

このとき、安倍昭恵夫人の世話係をしていた経産省の谷査恵子氏が捜査の目を逃れるように、イタリア大使館へ異動となったのも記憶に新しいところです。

つまり、昨日紹介した『オペレーションZ』の江島総理とは真逆の動きをしているのが、現実の世界なのであります。

(つづく)

 

オペレーションZ

安倍政権以降、テレビメディアへの締付けが強くなり、政権に批判的な姿勢が自粛する傾向が目立つようになりました。

電波行政に目を光らせる菅義偉の影響なんでしょうね。ホリエモンの事件で目醒めたとでも言いましょうか?調子に乗ったロン毛の息子の接待事件も記憶に新しいところです。

なので、フィクションであっても、与党を揶揄するような内容はご法度で、民放ドラマは恋愛モノだらけになりました。

それだって、似たり寄ったりになってしまうので、教師と生徒とか同性愛とか年の差婚とかヤクザ者の純愛とか、エスカレートしていきます。

 

そこに風穴を開けたのがWOWOWです。

スポンサーや芸能事務所からのプレッシャーが少なく、政府サイドのマークに入っていないので、自由度の高い作り込みができる。

だから、民放で放送できないような小説の映像化がどんどん進められます。

で、本日のおススメは、真山仁氏の『オペレーションZ』(新潮社)。今回は、UーNEXTとの同時進行で一気に読み終えました。

参考書付きで勉強した感じで、国の抱える一千兆円を超える負債を解消するための痛みを伴う改革について、理解が深まります。

実際には、そこまで腹を括った政治家はいないんですけどね。でも、いたらカッコいい。ドラマでは草刈正雄が総理役でした。

新聞記者が財務省の役人を脅迫するところはリアリティが感じられず、ちょっとマイナスで88点。でも、結構楽しめました。

同調圧力なんかクソくらえ

最近見たYoutubeで一番面白かったのが、ホリエモンとDaiGoのジャンケン対決です。

https://www.youtube.com/watch?v=p4dSHwnbsQU

以前にテレビ番組で惨敗を喫したホリエモンのリターンマッチでした。

理詰めでグイグイ押しまくるスタイルを嫌う人も多いんでしょうが、ゲームに興ずる彼の無邪気さは、とても魅力的です。

相手を認めたときは、ビックリするほど素直で、微笑ましくさえありました。

 

本日のご紹介は、『同調圧力なんかクソくらえ』(宝島社新書)です。

みんなに合わせているだけで、考えようとしないことを最も嫌うホリエモンの主張が最も込められているように思いました。

 

・ウイルスよりも危険なのは思考停止である

・安売り競争に巻き込まれるような業者は、負のスパイラルに陥る

・いいものは自由にパクれる世の中こそがベストだ

・優れた職人技のほとんどはデジタル化できる

・インバウンドが増えているのは、他国の方が豊かになってきたからだともいえる

・組織も国家も民主主義よりワンマン独裁性の方が改革が進む
・ネットを使えば、大学なんか行く必要はない

・結婚を人生のデフォルト(標準仕様)と決めつけるのはどうかしている

ベーシックインカム生活保護よりも効率の良いセーフティネット

スマホアプリを活用すれば、病院の待ち時間を最適化できる

・書棚は持ち主の脳味噌の中身を可視化したものなので、見せたがる人がいる。だから紙の本はなくならない

・IoT革命を第四次産業革命とするならば、第五次産業革命は宇宙開発である

 

例によって、ブックオフで購入の110円本ですが、内容たっぷりでありました。