昨日の話と矛盾するようではありますが、本を読むとき、それをいつ、どこで読むかによって、楽しみ方が変わってくると思います。
例えば、飛行機で移動しているときに読む航空機パニックものは、迫力が違います。
以前、ロンドンに行ったとき、12時間をなんとかやり過ごそうと持っていった『超音速漂流』(T・ブロック著/文春文庫)は秀逸でした。著者は、現役のパイロットで、シチュエーションの描写が非常にリアル。それに加えて、読者が事件が起こるべく場所にいるわけですから、これは興奮します。機内がちょっと揺れても、「うわぁ」って感じ。本格サラウンド・バーチャルリアリティでありました。
歴史を訪ねて観光スポットへ行くときもそうですね。
地名が出てきたときのリアリティが違う。「ここか~?!」ってこと。
旅を楽しむコツは、修学旅行で習ったような気がします。
タイミングもしかり。
その本をいつ読むかによって、楽しみが倍加されます。
東野圭吾の最新作『カッコウの卵は誰のもの』は、アルペン競技(滑降ではない)でワールドカップ出場を目指す親子が難事件に巻き込まれ、複雑な人間模様が繰り広げられるサスペンス小説です。これ、五輪直後の今だからこそ、盛り上がる。オリンピックイヤー仕様なのでしょう。
今、すぐ読んでください。超オススメです!!