トシをとると一文字のところが弱くなります。
「け」「め」「い」…「ぢ」というのはちょっと違うか?
で、今回は、「は」の話であります。
先日、ちょっとした拍子で詰め物が取れてしまったので、近所の歯医者さんへ出かけました。
この先生、やたらめったら丁寧なことばづかいで、分かるまで噛んで含めるように徹底的に説明します。そして、治療終了後も自宅へのDM。年賀状に暑中見舞い。
子供のころの印象では、歯医者さんは、工事現場みたいな器械を駆使する悪の権化で、マスクしてるから表情も分からず、イヤなものの代名詞みたいな存在でした。敵もそんなことを気にする様子もなく、イヤだったら来なくたっていいんだぜという空気を醸し出していたように思います。泣こうが喚こうがお構いなし。それが今…。
少子化の影響をモロに受けているらしいです。
虫歯のピークは、中学二年生くらいだから。
入れ歯じゃ、儲からないってことですね。
加えて、定年がない医者の世界の仕組み。
現在、日本の歯科医師の数は9万人を超えており、都市部を中心に乱立しているのが実状であります。
当然のことながら、経営が難しくなっているところもたくさんありましょう。
こういう場合、新たなニーズを開拓するのが定番です。
極めて初期の歯槽膿漏だ、歯周病だと言って、歯石を取りたがるのです。
マクドナルドのポテトみたいな感じで、女性従業員に指示を与えて。
「ちょっと汚れていますから、きれいいにしておきましょう」
有無を言わさない。
マスクしてると歯科衛生士だか誰だか分からないからなぁ。
そのうち、これもシロアリ駆除みたいな問題になる気がいたします。
人の顔をさかさまから見る日常というのも、どうかと思いますね。
歯医者さん、本当にピンチみたい。名前も悪いなぁ、復活しそうもない!?
(自著メルマガ『人口を読む』34号より加筆して転載)