都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

予定調和

ひと昔前、ほとんどの生命保険会社には、大蔵省(MOF)からの天下りがおりました。
検査が行われる数日前には、その情報がリークされ、事前準備するという構造を支えていたのです。
何か問題が発覚したとしても、裏側でもみ消す方向に動き、決して表側からバッサリ斬らない。
検査する側は、下っ端ですから、上から手を回せば言うことを聞くという図式。
そのためには、省内でそこそこ実績を重ねた人をキープしておかねばなりません。
そんな理由で、給料が高くて、仕事がなくて、美人秘書をあてがわれるという夢のような職場が実在しておりました。なんとか公益法人と似たような話です。やめられませんね。

支社に検査が入ったときは、ランチは2,000円、おやつはメロンをなんてマニュアルもあったぐらい。
現場では、この検査を時々手入れにやってくる植木屋さんみたいに思ってました。

つまり、これがトランプだとすると、

  生保天下り→MOF責任者→MOF担当者→生保上司→生保部下

ってこと。
天下りの人は、そこそこ実績があればいい。責任者の先輩ってことが大事なんです。

しかしながら、この“なあなあ”は、よかったんじゃないかとも思います。
なぜなら、問題が起こる前の準備よりも、起きてから対応するほうが、コストがかからないから。 


金融庁が大蔵省から分かれ、少数精鋭でスタートすると、状況が一変しました。
コンプライアンスの名のもと、生命保険には、憲兵部隊みたいな内部組織が充実していきます。
その人たちだって、結構給料高いから、それはそれでバカバカしい。
生産はしない。間違いを見つけては、責任を取らせる。
だけど、絶対に間違いがないような仕事の進め方は、創造する挑戦意欲を奪い、業務のスピードを低下させます。

だったら、いっそ単純なほうがいい。
これからは、インターネットで小回りがきく、規模の小さな生保が躍進するように思います。