ワールドカップ開催地である中国の雲南省を感染源とした致死率60%のインフルエンザが、水際作戦も虚しく東京へ上陸。これを地方へ波及させないために、東京を完全封鎖するという奇想天外な物語が、2013年に描かれた高嶋哲夫氏の『首都感染』(講談社文庫)です。
都市封鎖はともかくも、いろんなシチュエーションが微細にわたって予言書のように描かれておりまして、書店でこれを見つけると、574ページを一日で読み切りました。
非常時において、医療崩壊を防ぐことは言うまでもないことですが、これに加えて大事なのは、トップの決断とそれを支える腹心の存在。そして、実行するスピードだということを痛感しています。
まもなく行われる東京都の都知事選は、自民党が候補者擁立を断念し、小池百合子氏で決まりと思われておりましたが、ここへ来てホリエモンが名乗り出るとの噂。混迷の時代、カリスマ性を持ったリーダーが求められており、従来の根回しタイプでは時代のテンポに追いついていけないってことに、国民が気づき始めたように思います。彼の場合、優秀な通訳がコミで必要なんだけど、さて、どうなることやら。