友人を仕事終わりに誘うとき、日本人であれば「メシ、行かない?」と言うところ、アメリカ人は「夕食に行きたいですか?」なんて言ったりします。それは、英語に訳すと「Would you like to go to dinner ?」となるからで、彼らからすれば、当然の表現です。
中国人が日本語を話すとき、やってしまうのが「これ、おいしいのご飯」というパターン。中国語で名詞を修飾するときは、「的」を使うからで、「的」を日本語に訳せば「〜の」となるからです。
このように、母国語のスタイルが、第二言語に影響を与えることを語用論的転移(プラグマティックトランスファー)と言います。
外国人からすると、日本人が「ありがとう」と言うべきところで「すみません」と表現するのが理解しづらいそうで、なるほど、言葉の文化はさまざまです。
だけど、飲食店で注文するときにまで「すみません」と呼ぶのは、どうかと思います。
ここは「お願いします」とするべきなんだけど、実際には「すみません」が多数派ですね。
語用論的転移は、若者に対しても、ジワジワ進んでいるような気がしています。