ずっと前の話ですが、生保会社で広報部担当のとき、阪神タイガースとちょっとだけ関わったことがあります。
そのころ、球団は愛息の病気に端を発したバース選手の退団をめぐって揉めておりまして、私に保険会社の立場としての意見を求められました。
生命保険は損害保険と違うので、残念ながらわからないということで納得してもらいましたが、ランディ・バースといえば球史に残るような看板選手であり、過去は過去として争う姿勢を見せられたのに、ちょっと驚いたことを思い出します。
何か冷淡なんですよね。
親会社の規模とは別に、球団の存在が大きく、その組織が肥大化して、バランスが悪くなっているのを感じました。
担当者が、チームにそれほど愛情を持っておらず、上を気にしながら仕事しているということ。
FAで無理矢理に選手をかき集めながら、役に立たないと見るや、ビジネスライクに放出を決める。何か、愛とか情とかがありません。
これは、ドラフト戦略にも表れていて、ポジションが被ろうが構わず後は次工程で考えてくださいとばかりに指名する。実はこのチームにこそ、GMが必要ではと思ってしまいます。
外国人野手として、一塁手と三塁手ばかりを集める上に、大山三塁手がいて、さらには近畿大学から佐藤三塁手が入団。二人とも、外野手としてコンバートされるみたいだけど、リーグワーストの守備について、どう考えているのでしょう?
投手の能力を測る指標にゴロ率というのがあります。ピッチャーが三振を除いてアウトにする割合を示したもので、バッターの手元で小さく変化するカットボールの使い手は、フライやライナーでアウトにするよりも、ゴロ率が高くなります。
実はタイガースには、青柳・スアレス・岩田・ガンケル・高橋と、これを得意にする投手が多く、チーム編成上、内野手の守備力がとても重要なのです。
ひと昔前、黒田・ジョンソン・前田・野村とゴロピッチャーが揃っていたカープは、菊池涼介二塁手が捕殺の日本記録を更新しまくっていましたが、そういうことです。今の阪神こそ、内野の守備力が重要であると。分かっているのかねぇ?
もう一つ、来季から久慈内野守備コーチにバントコーチという肩書きが加わりました。
投手が打席に立つセ・リーグでは、先発投手のバント能力がとても重要です。そこで、その部分を重点的に強化する。これは、大賛成です。何より、強化対象を絞り込めるってとこがいい。
それにしても、バントと言えば、川相昌弘・宮本慎也ですが、こういう職人的な人たちは、どうしてコーチとして定着しないんですかねぇ?