都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

神様の裏の顔

お笑い芸人のユニットは、メンバー中の一人が台本を書いています。

爆笑問題だったら太田光、東京03だったら飯塚悟志、3時のヒロインだったら福田麻貴、いわゆるネタ担当です。

普通に暮らしていると、そんなに面白いことが転がっているわけではありませんから、新作を生み出すのに、なかなか苦労しているんじゃないかと思います。

売れれば売れるほど時間がなくなって、本業で舞台に立たなくなる。そういうもの。

一方で、売れてない芸人の場合、必死に書き上げたネタが受けないのは致命傷です。夢破れて、解散してしまうグループも数知れず。

このとき、ネタを書いていた人は、作家になろうと考えたりします。

 

2014年の横溝正史ミステリ大賞を受賞した『神様の裏の顔』(角川文庫)は、藤崎翔氏の作品です。

同氏は、高校卒業後、お笑い芸人となるもNHKの『爆笑オンエアバトル』に5回挑戦して1回のオンエアのみという体たらく。その後、コンビを解散して、清掃業のアルバイトをしながら小説家を目指したということでした。

この作品は、入れ替わり立ち替わり、登場人物の独白形式で進むので、演劇の舞台脚本を読んでいるような気にさせられます。

文章は、語彙が少なくて繰り返し使用される言葉が多いので、表現に深みがありませんが、流石にコント作家だけあって、筋立てが巧妙で、全く繋がりのない話を統合させていくテクニックは秀逸でありました。83点。