高校時代、アメフトをやろうとしてヘルメットが入らず体育系を断念した私は将棋部に入部し、ほとんど勉強もせずに寸暇を惜しんでパチパチやっておりました。
アマチュア三段とそこそこ強かったので、ちょっとだけプロ棋士になりたいと思ったこともあります。
愛読書は、今は廃刊となった『月刊近代将棋』で、電車通学の際にカバンから取り出しては、穴の開くほど読んでおりました。
スマホもパソコンもない時代、遠回りをしながらも、考え続けることがまた、心地よくもあったのです。勉強するより全然楽しい。
強くなるためには、実戦(対局)あるのみ。街の道場へも通い、腕を磨きます。
だから、地方都市にいると、将棋は強くなりません。ほとんどの強豪は、東京・大阪に集まっておりました。
ところが、インターネットの時代を迎え、人工知能の進化と共に様相がガラリと変わりました。相手なんか、ネットを通じればいくらでもいる。
かくして、トップクラスの棋士が、田舎から出てくることも珍しくなくなったのです。
ファンもしかり。
将棋は、テレビやラジオよりも、ネットとの相性が良く、観戦するだけのファンも着実に増えています。
土日に行われた朝日杯トーナメントは、プロによる丁寧な解説を交え、ネット配信されました。
もともと無観客の将棋の対局は、コロナなんて関係ありません。
お金もかからないし、理想的な趣味なのであります。