都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

草野球必勝法③

スコアブックの集計をしていて気付いたのが、セカンドを守るDの存在です。

中学時代に野球部経験者だったとはいえ、身長160センチ体重50キロと小柄なDは、非力な上、走塁守備もイマイチで、目立った存在ではありませんでした。打率は一割に満たず三振の山、これまた貧弱です。レギュラーは厳しいと、誰もが思っていました。

ところがこの男、そもそもバットを振らないんです。小柄なせいもあって、フォアボールでの出塁が半分近い。珍しい選手です。出塁することに、価値を見出しておりました。これを使わない手はありません。

 

軟式野球のグラウンドは、2時間単位で借りるシステムですが、準備や片付けを考えると正味90分。大会だと、5〜6イニングがせいぜいです。

だから、最強打者が四番だと、打順が2度しか回ってこないなんてことも。

そこで、チームで一番のスラッガーBは二番に据えることにしました。

一番打者はミートが巧くて俊足のK。三番は高校球児だったS。四番には、その日に集まった中で一番大きい選手を充てるのが、我が軍のルールです。これは、相手投手にプレッシャーをかけるためのもの。上位打者があれだけ打つのだから、こいつはもっと打つのではないかと思わせるのが狙いです。

五番以降は、打率の高い順に並べ、非力なDを九番に据えました。出塁率四割を超えるDは、得点力アップの鍵を握ると考えていたのです。

グラウンドがないのでほとんど練習しないし、高校野球経験者も少なかった割には、結構いい成績を収めていました。


会社の草野球は、強制力がなく、各人の都合に応じて集まるので、毎回、メンバーが違います。
だけどそれは、麻雀の配牌から構想を練るみたいな作業でもあり、楽しんでやっていたのを思い出します。

(つづく)