都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

犯罪者

産廃業者は自治体による許可制をとっていて、簡単にはなれません。

結構、政治的な繋がりが強かったりするし、強面の関係者たちが仕切っているってのもあります。

そもそも、最終処理を行う場所が不足していて、計算が合わないんだけど、いつの間にか処分されている不法投棄の現実があって、ほとんどそれがバレてないし、積極的な取り締まりも行われていないようです。

森友学園が建設された土地が、昔は池で、そこを埋めるように、たくさんのゴミが捨てられていたというのは記憶に新しいところ。

国会では、環境省の見解として「排出者に民事上の責任がない」などとお墨付きを与えたもんだから、結局は業者任せとなり、問題があると分かっていながら、何も変わらないのが現状です。そういう意味で、真面目な業者にはこの仕事、向いていません。叩けばホコリ(?)ってこと。残土のことも含め、調べれば調べるほど、いろんな闇が浮かび上がってきます。

だから、ミステリー小説で取り上げられることが多い業態ではあります。

 

『犯罪者』(太田愛著・角川文庫)は、食品大手の会社がベビーフードに毒物が混入されていたにも関わらず、競合会社に負けまいと、充分な検査を行わないまま、市場へ流出させてしまい、それを隠すための処分を業者依頼するところから、物語が複雑に進んでいきます。

作者は大ヒットドラマ『相棒』の脚本を手がける女性だそうで、登場人物のキャラ設定が絶妙に描かれておりまして、それぞれが文中で生き生きと躍動しておりました。

なかなかのハードボイルドぶりは、男性が書いたと思わせるほどです。

ただ、最後のまとめ方が、私の趣味ではありませんでした。うーん、86点かな?