筒井康隆の作品は、振り切っているものが多く、なかなか分かりにくいんだけど、短編集『農協月へ行く』の中に収められた『経理課長の放送』は、何度読んでも吹き出してしまう名作です。内容は、ラジオ局の労働組合がストライキを決行したことでアナウンサーがいなくなり、急遽駆り出された経理課長がしどろもどろの放送を行うというもの。同じCMを止め方が分からなくて10数回流し続けたり、ニュース原稿がバラバラに混ざって支離滅裂になったりで、最後は愚痴を言い続けるという、ここの弾け方が素晴らしい。筒井ワールドが堪能できます。
そう、営業課長でも宣伝課長でもなく、現場から程遠い経理課長ってのがミソです。ストレスとの親和性が高いと思うんだなぁ。
7日月曜日の朝、JOC(日本オリンピック委員会)の経理部長が、都営地下鉄浅草線の中延駅で飛び込み自殺したと報道されました。
非常勤の人が多いとは言え、年間140億の予算が動く大組織です。
ヘンでしょう? このタイミングでの経理部長は誰よりも大会が見たいハズなのに。そして、遺書は残されていないとのこと。どうして自殺だと断定できるのでしょうか? 中延駅が、中止延期に繋がるダイイングメッセージだと言う悪い冗談も出ています。
ホントは遺書があったりして??
うーん、メチャクチャ闇が深そうです。