下関市豊田町は豊水梨の名産地で、町の中心部に選果場があります。
お盆を過ぎた頃、全国各地へ向けて出荷が始まりますが、このとき、形がいびつであったり、キズがあったりすると、商品ルートから外れていきます。訳ありってことで、加工用業者へ向けて、安く卸されるのです。
その情報を聞きつけて、破格値で手に入れてました。一箱12キロで900円。大体30個ですから、一つ30円ですね。
スーパーでは、250円前後が相場なので、十分の一です。味は全く変わりません。
たくさん買って、いろんな人に配っていました。梨が嫌いだって人は、ほとんどいないので、喜ばれます。当たり前だ。
なので、訳ありって言葉に弱い。買わなきゃ損だと思ってしまいます。
先日、ネットで『極上大麦栗テリーヌ』(5,148円)というのを見つけました。
「大麦とホワイトチョコレートのしっとりパウンド生地に渋川栗を贅沢に練り込みました。持ったときのズッシリした重さに期待が膨らむ、リピーターの多い逸品です」
これがキャッチコピー。極上だし、栗が贅沢です。しっとりで質感を、ズッシリで量感を表している。上手いもんですね、食べたくなります。
だけど、5,148円は高い。ちょっとねぇ〜。
そこへ追い討ちをかけるように、『【訳あり】極上大麦テリーヌの切れ端300g』(1,598円)の登場です。
「1日に40kgの切れ端が出来る。味は正規品と全く同じなのにもったいない。栗もゴロゴロ入っています」だって。
二つ以上買えば、送料無料。三つ購入ならば、オマケが付きます。
いいですねぇ〜、三つ買いました。4,794円。本体価格5,148円ですからね。まだ、安い。食べてないけど、得したと思ってしまいます。
ところで、お客様へお詫びに行くときの最強ツールは『とらやの羊羹』です。これが一本660g。三本入りの詰め合わせだと約2㎏で、その中に誠意を詰め込みます。重さこそ誠意。
で、送られてきた訳ありテリーヌは、三つで900g。アレッ??
もう一度、広告を見返すと、訳ありでない本体について、重さは表示されていませんでした。
サイズは、14×7×5ですと。ちなみにとらやの羊羹は、24、5×7、2×6、5で5,615円。この商品は、半分の大きさで値段がほぼ同じ。テリーヌの本体がメチャクチャ高いってことです。むしろ、訳ありの方が普通の値段と言えるでしょう。
つまり、こういうことです。一本ものの本体を切り刻んだのが訳あり商品で、価格は一緒。別に安いとは言っていない。なーるほど、そんな売り方もあるんですね。詐欺ではありません。だけど、世の中にはもっと美味しいものが沢山あります。勉強になりました。