今、テレビ業界が変わりつつあります。
従来の価値観であった世帯視聴率から、個人視聴率を重視するようになったのです。
これにより、高齢者が興味を持つような番組作りが切り捨てられ、50歳未満、特に購買力のある若年層へ狙いを定めたといいます。
それは、スポンサー対策でもあるわけで、玩具やお菓子メーカーに向けたアニメ番組が戻ってくるかもしれません。
その流れに出遅れたのが、テレビ朝日です。
ポツンと一軒家や徹子の部屋、相棒などのヒットで世帯視聴率業界トップを争っておりましたが、必ずしも広告営業に結びつかず、中高年向けの番組作りがよろしくないとの批判が上がってきたのです。
慌てて、深夜の時間帯に「バラバラ大作戦」と名付けたバラエティー番組を並べ、ゴールデンタイムへ昇格させようと模索し始めました。
タレント頼みではない、制作サイドの育成が急がされているものの、問題は高齢化した管理職なんですね。
50歳以上の役職者は、ルールを守る保守的な冒険しないタイプが多い。それじゃ、変えるってことに抵抗を示すでしょう。
京都に本拠を置く堀場製作所は、エンジン排ガス測定・分析装置分野で世界シェア80%を誇る日本の代表企業ですが、その社是は「おもしろおかしく」です。創業者である堀場雅夫氏は、自らが老害とならぬよう53歳で社長を退いた才覚者で、従業員を家族のように愛し、仕事には遊び心が必要だと唱え続けました。
テレビ業界に必要なのは、そういうセンスなんだと思います。