都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

たかが殺人じゃないか

8月15日の昭和天皇による玉音放送以降、日本兵が米兵を殺した場合は殺人罪が適用されました。

これは、衝撃的なパラダイムシフトで、適応できなかった人も多かったと思います。

鬼畜米英だったハズのアメリカ人が、チョコレートをばら撒く姿を苦々しく見ていた人がいただろうし、逆にそれを有難いと思う人もいた。

学校教育も価値観が180度変わることで、現場は大混乱したでしょう。

軍国主義国家主義から民主主義・自由主義への思想転換は、巨人ファンがアンチジャイアンツになるみたいな話。素直に受け入れられなかった人も多かったと思われます。

変わったといえば、男女同権の思想。昭和23年ごろから、共学が始まっています。男女7歳にして席を同じうせずって言ってたのに。刑務所で、今日から男女一緒に収容すると決めたような大変な出来事です。見合い結婚が9割を超えていた時代ですからね。

教える側は、頭がおかしくなりそうな社会の変わりようだったことでしょう。過去との整合性なんて、あったもんじゃない。

 

辻真先氏の『たかが殺人じゃないか』(東京創元社)は、そんな時代を背景に描かれた作品です。

辻氏は、御年88歳、ミステリー界では超遅咲きの作家です。おそらくは、自らの体験をもとに作り上げたのでしょうが、いかんせん昔の出来事すぎて、いろいろ美化されていているものと推察します。登場人物の誰もが進歩的すぎるし、それぞれが貧困からは程遠く、リアリティが全く感じられませんでした。コシマキではドラマやアニメの制作に関わったレジェンドで、現在も『名探偵コナン』の脚本を手掛けながら大学で教鞭に立つなどと持ち上げておりましたが、文章もゴツゴツしていて読みづらく、私にはサッパリです。大甘で60点。