都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

残存幼児性(2020/11/4分再掲載)

高校球児は一途で純真だということをその著『女たちよ!』(文藝春秋)で真っ向から否定したのが伊丹十三氏です。

自身の経験から、野球部の生徒はズルい奴ばかりで、カンニングの技を競い合っていたというのです。

なるほど、本当にどうしようもない成績だと、進級がままならなくなるので、手段を選ばなくなるというのも悲しい現実です。

盗塁だと思っているかも。

加えて、寮生活が最悪です。毎日が修学旅行みたいになっちゃいますから。バレなければ、やってもいいという思考回路が出来上がるのです。

そんな風にしながら、成果を上げている裏で掟破りを行なっているアスリートは、意外に多いかもしれません。

そもそも何かに秀でているからといって、全てが優れているわけではありませんからね。大麻栽培を行ったり、保育園へのお迎え前にラブホへ行ったり、女性へ暴力を振るったり、ひき逃げしたり。

学びを疎かにしていた人ほど、危なっかしい。残存幼児性です。自分は特別だと思っている節がある。

そういう意味では、社会的な地位が上がるにつれて、安定していくわけです。してもいいことと、やっちゃいけないことの分別がつく。ようやくです。

 

西武ライオンズの二軍コーチが、選手の私物を窃取したということで、契約解除となりました。

ロッカールームというところは、誰もいないことが多い。だけど、高額品がそこらじゅうに詰まっている。財布、時計、アクセサリー。その気があると、もう大変です。

そして、それをやったのが二軍のコーチだっていうところが驚きです。聞いたことがない。普通、窃盗を企てる人は、自分より貧しい人からの搾取を考えません。上司が部下の物を盗んだ例がないのはそういうこと。

だけど、部下の中に自分よりも明らかな金持ちがいたら、どうでしょう?西武の二軍には、二人ばかし、元一億円プレーヤーがおりました。

クルマよりも高そうな時計、ハメてたからの出来心。残存幼児性ですからね。

 

そういう人をコーチにした球団にも非がないとはいえません。

欲しいから獲るって考え方もどうなんでしょうかねぇ?

 

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高校での寮生活は、学生主体で運営させたりすると、ロクなことにならないでしょう。修学旅行ですからね。酒にタバコは当たり前。数年前には無免許運転で甲子園辞退なんてのもありました。上下関係も数の力で支配するので、歪んだ道徳観念が育つケースが名門野球部に非常に多く、それが大学や社会人で揉まれるうちに、真人間へ育っていく、そういうもの。

中田翔選手は、自分なりの正義が肥大化して、小さな王国が出来上がっていきました。いつも奢ってやってるんだから、強めの指導は当然だろうなんてね。チーム内におけるステータスを年俸で判断していたように思います。

それにしても、無期限出場停止だったハズの選手が、引っ越ししたらチャラになるって、どうなんでしょう?監督が暴力団へ一億円を無償提供した過去を不問にしたことに比べれば、全然たいした問題ではありませんけど。