都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

夢の中へ

「マズい」の反対語は「ウマい」あるいは「美味しい」とされておりますが、本当にそうだろうかと時々思います。

それは、飲食店に行ったとき、マズくはないけどウマいというほどでもないってことが、よくあるわけで、いやむしろ、その方が多いような気がするからです。

なぜって、万人がマズいと思う店は存続できないからで、味の基準が二択だと、世の中の飲食店はすべてウマい店になってしまう。たいして面白くない芸人の前で仏頂面しているのも失礼だと思い、愛想笑いを続けるような、そんな感じです。

テレビの言ってることは全面的に正しいと信じている人は多いですからね。責任感を持って、番組を作ってもらいたいものです。

 

さて、沼津の名物店といえば、以前にも書いたことがあるアニメ『ラブライブ!』の聖地巡礼先である喫茶店『阿蘭陀館』やタワー状のかき揚げで有名な沼津港の『魚河岸 丸天』などが挙げられますが、最近メキメキと急上昇なのが、中京テレビ制作『オモウマい店』で紹介されたパスタ店『夢の中へ』です。

番組では、いつもと違って撮影の初っ端に壊れたクーラーをめぐり、お盆のシーズンに扇風機10台を並べてドタバタする人間模様をコントのように描いてました。ホールはともかくも風通しの悪い厨房は、地獄でありまして、汗だくの料理人が作ったパスタ、ビジュアル的にどうも…。だけど、圧倒的に興味が湧きます。

地元民としてもここは抑えておかねばなるまいと、本日出かけてまいりました。

いや、思ったよりもくたびれた内観で、番組で紹介していた新品のクーラーだけが目立っています。ネット検索すると、創業36年だと。まぁ、井上陽水の曲が1973年リリースですからね。気のいい老夫婦が二人で常連さんに寄り添いながら切り盛りしてるってところが見て取れます。

で、メニューの種類が半端ない。

厨房はオヤジさん一人なのに、椅子席が25近くあって、全部埋まったらどうするのかと見ていたら、案の定、15人程度の客でアゴが上がり、その時点で「ただいま許容範囲を超えましたので入店をストップさせていただきます」の看板を掲示していました。これが一時前の出来事です。

なんでも、番組で紹介されてから、お客さんが一気に増えたらしく、店内には「テレビの反響が収まるまでランチタイムサービスはすべてストップさせていただきます」なんて張り紙も掲示されています。メニューにも「仕込みが間に合わないので、本日はナポリタンのミートソースがけができません」の紙がセロテープで貼り付けてあったりで、バタバタしているのがモロわかり。いやぁ、楽しいね、こういうの。結局、お客さんが増えても対応策を持っていないので、絶対に儲かりません、この店は。厨房が一人ですからね。

 

で、味の方はフツーでした(本日一番のオススメという塩味ベーコンきのこパスタ中盛で910円)。

麺が業務用のフツーのものなので、家庭レベルを超えられません。置いとくと伸びるしねぇ。

その代わり、ボリュームは尋常じゃない。中盛が1、5倍(プラス100円)、大盛にすると、2、5倍(プラス150円)、さらにその上の○チガイ盛だと5、5倍(プラス500円)ですって。ボリュームもさることながら、ネーミングも時代錯誤でぶっ飛んでます。テレビは放映できませんでした。別の言い方、いくらでもあると思うんだけどなぁ。誰も止めないのは、常連さんに支えられている証拠。

まぁ、コンサルタント的に言えば、改善ポイントが山のようにあるんだけど、それを補って余りあるのがサービス精神なんでしょうね。

ウマいかどうかは別として、メチャメチャ興味深い店でありました。面白い。落ち着いたころに、また行こうっと。