日本の企業の躍進を支えたのは、終身雇用と年功序列だと言われています。
実力主義なんて言葉も出ましたが、やはり多くの会社組織では、昇進者の入社年次や年齢を気にします。
政治家もそうだし、お笑い芸人もそう。微妙だけど、野球や相撲でも、そういう意識は残っているに違いありません。それが日本社会。
昔、勤務していた保険会社では、管理職を控えた年頃のちょっと物足りない社員を「話し方教室」へ通わせていました。
週イチで半年ぐらいでしょうか、それで話し方のスキルが格段に上がるというものではありませんが、それぞれの考え方に変化が見られるようになります。
それは、見られている意識が高まることと、他者の様子を観察する習慣がつくことで、メタ認知能力が育まれるってことです。
言葉足らずでコミュニケーション下手の人は、自分を客観視するなんて、考えていないことが多いですから。他社の人と一緒に異文化の中に身をおいて時間を共有することの教育効果は、非常に高いのです。その教室では、話し方よりもむしろ、考え方や生き方に気づきを与えているってこと。上司や先輩からじゃダメなんだなぁ、これが。メタ認知が育まれない。
言語学の教育論として『サピア・ウォーフの仮説(言語的相対論)』があります。
これは、「言語が思考を決定づける」ということで、逆に考えると、言葉を持っていないと思考にキレがなくなるとも言えるわけです。言葉でものを考えますからね。
だから、語彙が少ない人は、頭が悪いのとニアリーイコールなのです。
勉強は、社会に出てからも続けないと、取り残されてしまいます。そして、勉強している人は、していない人が嫌いなのであります。