都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

たまごっち小説(2011/10/12分再掲載)

サービス業と言っても多岐にわたっており、お客様に対するサービスの質はピンキリです。
私がイヤだなぁと思うのは、金融業界で、あの慇懃無礼な感じが堪りません。
顧客よりも上司や会社の都合を最優先にしているのがバレバレです。
極めつけは、店舗に行くと番号札を握らされ、

  「49番のカードをお持ちの方~」

っていう、あのシステムです。
二、三人しかいなくても、機械に喋らせる仕組みに心は感じられない。
何故そんなことをするかといえば、業界みんなが取り入れているから。
みんなで渡れば怖くない的なことがたくさんあって、その場合、お客様のことよりも、競合他社ばかり気にしているのです。
そもそも、似たような商品を似たような仕組みで売っているので、個性がないのが問題なのです。
だから、プライドがありません。
目立たないことがいいことだと思っている。
金融庁の締め付けが厳しいので、上ばかり見るようになってしまいます。
そんな中で、同業他社をライバルに見立てても、全く参考になりません。

本当は、サービス業全体を意識して、一流のサービスとは何かを追求すべきなのであります。

お客様を大切にしているということで見習うべきは、何と言ってもキャバクラ業界。
もっとお金を使わせようとする行き過ぎた魂胆を除いては、顧客満足についての迫力が違います。
そこまで行かなくても、トップレベルのサービスを実践する代表格が、シティホテルと言えましょう。
帝国ホテルやリッツカールトンのサービスは、そのまま教科書として使われることが多いのです。
銀行は、ホテルを参考にすべきだと思うけど、無理ですかねぇ?


そういう意味で、真逆な職業が警察官です。

警察の仕事は、相手の仮面をはがすこと。
ホテルの仕事は、お客様の仮面を守ること。

これは、東野圭吾の最新刊『マスカレード・ホテル』(集英社)のこしまきに書かれているコピーで、ピッタリ嵌ってしまいました。

東野圭吾という人は、気持ちの描写がとても上手いので、まるでその人物がそこに存在しているような錯覚にとらわれます。人間心理の達人。
そして、小説の中で、その人物が成長していく様子が読み取れるのもまた、醍醐味と言えます。
今回もまた、すっかり魅了されました。
ちなみに、マスカレードとは、仮面舞踏会の意。
ホテルには、いろんな人が、さまざまな事情で泊まりにやってきて、深いんだなぁ。

 

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久しぶりに読み返してみました。やはり掛け値なしに面白い。

ここのところ、イマイチが続いている東野作品ですが、この頃(10年前)は脂が乗り切っている感じです。

人物描写に長けているので、登場人物がおおいこの作品は、二時間程度の映画には収まり切らない、そう思いました。