フランスの社会学者であるデュルケームは、その著『自殺論』で、戦争が自殺の増加に抑制効果があると言及しました。
明日にでも死ぬかもしれないという状況では、わざわざ死を選ぼうとしないということであり、そのことは後期高齢者に自殺が少ないのと同じ理由です。
日本人の場合、自殺の適齢期は50代前後で、ちょっと前まで年間に三万人を超えていたのは、その年周りの人が多かったから。人間は、経済的な理由だけでは死なないし、ましてや失恋の痛手なんか理由にならない。もっと複合的な事情が重なっていて、それに生命保険なんかも絡んでいることだと思います。すごーく調べたら、犯罪ってことも少なくないと。
新聞報道では、コロナの影響で自殺者がものすごく増加したように言っておりますが、令和2年は前年から912人増の21,081人で、政治の責任だと大騒ぎするほどのものではありません。
ただし、20歳以下の若年層の増加については、絶対にあってはならないことなので、もっともっと注意深くならなければいけないでしょう。