私が今年読んだ本のベスト10を発表します。あくまで、私が今年読んだものからってことで、お許しください。
まずは、小説部門から。
1位 任侠学園(今野敏)
2位 冷たい檻(伊岡瞬)
3位 暴虎の牙(柚月裕子)
4位 悪果(黒川博行)
5位 犯罪者(太田愛)
6位 ビタミンF(重松清)
7位 ノーマンズランド(誉田哲也)
8位 天使のナイフ(薬丸岳)
9位 EXIT(相場英雄)
10位 監督の問題(本城雅人)
作者が重複した作品は、その代表作一つに絞りました。
そんな中、今野敏の任侠シリーズは、スピンオフも含めた七作品のどれもが高水準で大満足でした。何より読後感が素晴らしい。愛があります。
これ、読まずには死ねませんよ。それぐらいオススメです。
2位の『冷たい檻』は、製薬会社の闇を抉る社会派ミステリーです。医療行政が金になるってとこ、考えさせられました。
3位は、柚月裕子から。この女性、今一番乗っているのではないかと思います。どういう生き方をしたら、こんなバイオレンスな文章が書けるのかとただただ驚くばかりです。『狐狼の血』『狂犬の眼』『パレートの誤算』『検事の本懐』もそれぞれとてもよかった。
4位の『悪果』はやはり悪徳刑事の話。『暴虎の牙』もそうだけど、極悪組織に立ち向かうには、きれい事じゃすまないってことです。そばにいたらイヤだけど、そういうの分かります。
5位の太田愛は、注目の有望株です。今年は『犯罪者』と『幻夏』を読みましたが、この作者は伏線の張り方が巧みです。読み進めていくうちに、思わずニヤリとさせられてしまいました。
6位の『ビタミンF』は20年前の直木賞受賞作です。今ごろ読むなって話ですが、心がほっこりします。さすが!
7位の『ノーマンズランド』は姫川玲子という女性刑事が主人公のシリーズものです。作者の誉田哲也は、人物描写が巧い。ドラマを見ているような錯覚を起こさせ、グイグイと引き込まれていきます。
8位の『天使のナイフ』は、少年法に問題を突き付けた江戸川乱歩賞受賞作品。考えさせられました。
9位は、相場英雄作品から。ちょっと勢いが落ちてきたかな?
10位の『監督の問題』は、最下位低迷中の新興球団の監督を命じられた男の物語。企業小説の側面もあり、人間模様の描き方が上手く、思わず応援してしまいました。
ここのところ思うのは、東野圭吾や宮部みゆきの作品にキレがなくなってきたということです。
超一流をずっと続けていくのは難しいんでしょうね、きっと。ちょっと残念。