岸田総理の国会答弁を見ながら、竹下元総理の「言語明瞭意味不明」を思い出しました。
滑舌が良く、魅力的なテノールボイスで澱みなく原稿を読むので、さも内容のあるメッセージを届けているように感じさせるものの、何だかよく分からない。一つには、文章が長いんです。隙がないように、説明し尽くそうとするからで、元々信念がないもんだからボヤーっとする。そんな感じです。
減点主義の行き着く先は、こうなるんだろうなと思いました。
さて、本日のご紹介は、禁断の湊かなえから『カケラ』(集英社)です。
苗字が横網であるのに加えて、立派な体格、だけど運動神経が発達した動けるデブが、突然自殺してしまう話を巡って、それに絡む人間模様が独白調で展開していきます。ダイエットに加え、美容整形的な話が主題なので、圧倒的女性目線でありました。
難しいですよね、女性心理。
A子はBのように振る舞っているけど、本当はCだと思っていて、D子はそれを知っている、みたいな話が延々と続きます。
うーん、共感できませんでした。文章は極めて明解なんだけど、だからどうしたっていう…
前回の『未来』に次ぐ二連敗。理解できないのは、私のせいなんだけど、マッチョな人には絶対不向きです。70点。