昨季20イニングス以上投げて20個以上の三振を奪う、つまり奪三振率が9以上を記録した投手が、ソフトバンクに10人いました。
スチュワート・モイネロ・津森・甲斐野・杉山・泉・笠谷・千賀・板東・岩嵜で、条件を8以上にまで広げると、マルティネス・レイ・武田・嘉弥真・森が加わり、15人となります。つまり、ベンチ入りする投手全員が、三振を奪る能力が高いわけで、これがソフトバンク強さの秘密です。
リリーフで出てくるピッチャーの質が落ちないってことなんです。プロ野球の歴史を振り返っても、これだけ数が揃っているのは記憶にありませんし、チーム内の競争も自然と激しくなっています。
その一方で、打線は高齢化が進んで、往年の迫力が消えつつあります。
デスパイネ(35歳)・グラシアル(36歳)のキューバ勢に衰えが見えてきたからです。松田(38歳)明石(36歳)柳田(33歳)もピークは過ぎた感が強い。その割に、後進が育っていないのが現実です。
ベテランや外国人選手が頑張っているチームは、なかなか若手へ切り替えることができません。それは、どうしても遠慮してしまうからです。昨日まで「愛してるよ」と言っていた手前、手のひら返しするわけにはいかない。みんな見ていますからね。
そこで、どうするかと言うと、監督を交替します。それが、工藤→藤本の理由。藤本新監督は、2019・2020年に三軍監督、昨年は二軍監督でしたから大抜擢人事です。ソフトバンクには、育成選手だけでも38人いるわけで、監督と喋ったことがない選手が大勢いるのが普通ですから、これは異例のことです。チームを知り尽くした男がトップだからこそ自然と活性化される、そういうものです。
ただし、シーズンを乗り切るのには経験が必要なので、特に野手の場合、2〜3年の忍耐が必要です。三森・リチャード・柳町といったところを如何に我慢して使い続けるか、新監督の胆力が試されるところではないでしょうか。
二軍の球場が一軍と遜色のない施設を誇るホークスは、何から何まで整っていて羨ましい。野球は夢を売るビジネスなので、親会社はお金持ちがいいです、やっぱり。