都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ピグマリオン効果

アメリカの心理学者にローゼンタールという人がいます。

彼は、児童を対象にテストを実施しました。最初には、ただの知能テストにもかかわらず「児童の成績が将来伸びるかどうかがわかるテストだ」と先生にウソを伝えたのです。その後「成長が期待できる児童とできない児童」に分けたテスト結果を先生に見せました。実は、その結果は全くのデタラメで、20%ほどの生徒をランダムに「成長できる生徒」として選んだリストでした。

そして、しばらくしてからもう一度、知能テストを同じ児童を対象に実施したところ、ランダムに選ばれたハズの20%の高期待児童の知能が大きく伸びる結果となり、学習への興味や自主性などにも向上が認められたのです。

この実験から導き出されたのが、教師が期待を持って児童に接することで、学習者の成長が促されるという仮説です。

このことを『ピグマリオン効果』と言いまして、教育の世界では黄金ルールとされています。『ローゼンタール効果』とも呼ばれています。

 

この法則には、反対則もありまして、それを『ゴーレム効果』と言います。

この学校の生徒たちはクズばかりだなんて言われていると、教師の方もそんな気になって教え方に気持ちが入らず、ますますダメになってしまうという学園ドラマにありがちなパターン。前科者が再起しづらいのも、ゴーレム効果の表れと言えるでしょう。

また、会社でも二流意識が浸透すると、社員全員がそんなような行動を取り、大した結果が出ないというのはよくある話です。

だから、組織を動かそうとする立場の人間は、その言動に注意を払わねばなりません。

 

そうしたことが如実に表れるのが、プロ野球の世界です。

何せ、毎日のように、結果が出ますから。それを受けての監督・コーチの言葉は重要です。期待ということを学問レベルにまで突き詰めて考えるセンスは、人間が分かっていないとなかなかなんです。

何のために大勢のコーチがいるかは、そういうところのフォローができるかどうかってこと。

ピグマリオンとゴーレムは、ほんのちょっとなんだけど、大きな違いを生むのであります。