NHKでやってる『義経のスマホ』は、アイデアの勝利で、明智光秀・石田三成と同じパターンで魅了しています。
それは、ミルクボーイやももの漫才ネタと同じ。鉱脈を見つけて、独り占めしている感じです。
読書にもそういうところがあって、水野敬也の『夢をかなえるゾウ』シリーズは自己啓発書のジャンルに革命をもたらしました。
物語に仕立てたのと、スキだらけの神様を起用したところに発想の凄さがあります。
多分、作者はツッコミどころ満載のヒンドゥー教のガネーシャ神に、信仰よりもお笑いの要素を強く感じたのだと思います。ヘンだから。
で、絶賛発売中の『夢をかなえるゾウ0』(水野敬也著・文響社)は、今までと同じ、全く新鮮味のない焼き直しでした。
そりゃ、そうですね。自己啓発って、そんなに種類が豊富なわけでなく、それは中谷彰宏でもお馴染みの話。人の話をよく聞きましょう、ポジティブな考え方が良い、価値観を広げることが大切だってことで、言い尽くされるような気がします。
そんな中、刺さった言葉は「眼は、眼そのものを見ることができない」です。
人間の目は、自分自身を見ることができない。自分の目に映る、自分以外のものを見て、そこに近づき、経験することで「自分とは何か」「自分は何のために生きているのか」を知ることができる。自分の目に映る「自分以外の美しさ」に惹きつけられることで、人は自分の「生きる意味」を知ることができるというくだり。その通りだと思いました。
自己啓発的な話には、ときどき首を突っ込んだ方がいい。それが私の宗教なのであります。