第7位 アベック歌合戦
「カッカッカカカッ、カッカッカッカー、あなたのお名前なんて〜の?」
リズム良く拍子木を叩きながら、ツイストで踊る司会者は謎の日系人風(?)トニー谷。赤塚不二夫がイヤミのモデルにした芸人だそうです。逆だと思っていました。それぐらい、現実離れしたキャラクターでした。当時は、戦争の反動なのか、西洋への憧れが強く、彼の英語が訛った喋り方が一歩先を行っているようで、他に似たようなタレントもおらず、バカ受けしていたのを思い出します。ルー大柴の走り、それよりもかなりアクが強かった。
「レディースエンジェントルメン、アンドおとっつぁんおっかさん、おこんばんわ」で始まります。クセがスゴい。
番組は、その名の通り素人の男女カップルが歌声を披露する視聴者参加型で、司会者がプライバシーに突っ込んでいくさまは『新婚さんいらっしゃい』みたいな感じでありました。バラエティーの元祖です。日本テレビは、これに味を占めて初代林家三平を司会とする『踊って歌って大合戦』を始めますが、こちらは低俗番組のレッテルを貼られて長続きしませんでした。
今、考えてみると、タブーが圧倒的に少ない時代で、制作スタッフが伸び伸びとやりたい放題、怒られるまではセーフだとする価値観だったように思います。
(つづく)