都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

バカと無知③

法務大臣で忘れられないのは、小泉内閣の時の南野智惠子という女性です。

看護婦さんからキャリアアップして、参議院比例区で当選。バリバリの厚生族でしたが、何故か畑違いの法務大臣に就任しました。国会答弁では、質問の度に後ろに控えた官僚のアドバイスを受ける体たらくで痛々しく、オドオドした様子が気の毒で、ツッコむ気にすらならなかったのを思い出します。論功行賞って、こういうことなんだなぁと。パートのおばちゃん、国会へ行くみたいな感じでした。

なぜ、こんな人事がまかり通ったかというと、法務省のトップなんて、誰でもよかったからです。持ち上がった書類にハンコを押す仕事だから。生半可な知識では、官僚と会話になりませんのでね。

葉梨康弘法務大臣の「死刑ハンコ」は、そういう状況の中で、自身の能力が不完全燃焼していることに対する自虐的な発言でした。私は大した話ではないと考えていましたが、この機を逃すまいと、鬼の首でも取ったように攻撃的になるのがキャンセルカルチャーです。山際大志郎の方が、よっぽど悪質だと思うんだけど、あちらは辞任で葉梨康弘が更迭だなんて、バランスがおかしい。岸田的には、言質を取られない方が、失言よりもエラいとの判断です。ますます自分からは何もしなくなるんでしょうね。地蔵総理。

 

橘玲の『バカと無知』では、ダニング・クルーガー効果についての記述があります。

それは「バカの問題は自分がバカであることに気づかないことだ。なぜならバカだから」ということ。認知能力の低い子供は、何を知らないかを知らないので、フィードバックを受けてもどうしていいかが分からないわけで、なるほど、いくら教えてもそれ以上に理解が進まず手応えが感じられないってのは、教育関係者の間で周知の事実です。

いや、それより問題なのは、認知能力が高いと思われている人が、自分は賢いんだと思い過ぎることかもしれません。結果として、自分が知らないということに気付かず、いつの間にか浮き上がった存在になっているような話。うん、こっちの方がヤバい。刺さりました。ダニング・クルーガー効果かぁ。