都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

OSO 18

ドイツの生物学者ベルクマンは、「同じ種族の動物でも、寒い地域に住んでいる方が体が大きくなる」としています。

ひとくちにクマと言っても、南方に棲息するマレーグマと北極海をテリトリーとする北極グマでは2倍以上の大きさの開きがあります。

で、北海道のクマはヒグマ。成人の体長は2メートル強です。アンドレ・ザ・ジャイアントと同じか少し大きい。

そんなのが、道内全域で約13,500頭がいるとされています。人間の人口は528万人。40対1と結構な割合です。

以前は、冬眠明けを狙った春グマ駆除をイベント的に行なっていましたが、国際的に批判を浴びて1990年に制度を廃止して以降、少しずつ増えてしまったようです。

人を襲うってのも問題だけど、農作物を食い荒らすのが農家にとって憎々しい。そして、牛が美味いってことに気付いてしまったのが、『OSO 18』です。OSOと言うのはオソツベツという地名、18は足の幅が18センチあるところから名付けられました。彼は、放牧している牛たちに目を付けたのです。

と、これを粘り強く取材するのがNHKのドキュメンタリークルーでありまして、夜中のワールド杯中継の合間に『NHKスペシャル』の再放送をやっていたのです。これが実に面白い。

敵は、たったの一頭にすぎませんが、メチャクチャ用心深くて、人間が束になってもなかなか姿を見せません。嗅覚が犬の7〜8倍で、学習能力も高い。その上で、確実に人間の隙をついて牛を仕留めていきます。いや、住人も気が気ではない。アンドレですからね。

ちなみに、道内の牛は82万頭。食べ応えあるわ。

酪農家にとって、笑い事では済みません。罠やカメラ、案山子が進化したようなロボット設置、猟師による待ち伏せなど、いろいろやってるんですけどね。向こうのほうが一枚も二枚も上手だということ。野生の力、恐るべし。

一方で、外野からは熊を殺すななんて声が上がってくる。他方では、札幌の市街地にまで、熊が出没するようになった。

そんな中で、我々はどうすべきなのか?

番組は、この野生の大逆襲について、重いテーマを投げかけていました。