都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

逆転美人

「もし、生まれ変わるとしたら、男と女どっち?」

酔っ払った席での戯れ事で、話題になりがちなこのテーマに、友人のKは一刀両断で斬り込みました。

「美人のオンナがいい」

なるほどねぇ。顔の造作が有利だと、幸せな人生が送れそうな気がします。オトコ、選び放題だから。財力なんてどうにでもなる。ちょっと前の女子アナ的発想ですね。自分で稼ぐんじゃなくて、安定的に稼ぎそうな人物を嗅ぎ取るってことです。

そして、それはオトコの発想でもある。楽しいことがいっぱいありそうだと。

だけど、現実には全く眼中にない異性のアプローチも死ぬほど受けるかもしれません。ほとんど相手にするつもりがない同性からの嫉みも買います。美人を鼻にかけてるなんて。かけてないのに。

男性は、カッコいいオトコがいても、さほど羨ましいとは思わない。他にも価値基準がたくさんあるから。

そういうことです。男よりも女の方が、美醜に敏感で、その周辺に地雷がたくさん埋まっているってこと。モテる男なら常識です。

 

そんな話を面白おかしく描いたのが『逆転美人』(藤崎翔著・双葉文庫)です。

物語は評判の美人の独白で進められていきます。

なるほどねぇ。イジメにまで昇華していくんだとは発見でした。男性の作家がこういうの書くんですね。

で、ストーリー展開はスゴく面白いんだけど、なんか違和感がありました。文章がヘタクソなんです。文中で使われている言葉が稚拙でありまして、中学生の学力で充分に対応できるという…。

だけど、それも含めて伏線でありました。なるほどねぇ、そう来たか?

私的には、性に合いませんでしたが、それでもユニークさは充分に評価に値すると考えます。なるほどの一冊で85点。