都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

生命保険と犯罪と(2011/6/7分再掲載)

長崎・佐世保の病院で起こった殺人は、まるで火曜サスペンスみたいな事件でした。
ここから学んだのは、お医者さんからフツーに診断書が出たら、何の疑いもなくそのまま処理されてしまうってこと。
お医者さんに近い人は、気をつけないといけませんね。殺されちゃう。いろんなクスリ、持ってるし。

保険会社の査定部門には、モラル病院一覧というのがあって、そのブラックリストから上がってきた証明書はナナメから見ることにしています。
インチキかもしれないと…。
例えば、病名が怪しい、入院の必要性がない、入院自体していない、などなど。
怪しい病名とは、自覚症状を訴えて入院し、手術などの積極的な治療を行わないやつです。
ムチウチに腰痛、十二指腸潰瘍なんてのが代表的でありました。
そして、入院の必要性がない場合、病院はホテル代わりになります。
今は無き徳島のS外科は、夜になるとネオンサインが輝いていました。
ちなみに、徳島県には、この手の病院がたくさんあり、流石にネオンまではいかないものの、あちこちの田んぼの中に、病院の広告看板が見られる異常さで、業界では有名な危険地域なのであります。
何故、入院もしていないのに診断書を書いてしまうかというと、裏社会と繋がっているから。
病院でもMRIなど高額な医療機器を入れて借金まみれになる場合がありますし、オンナ好きの院長が付き合っちゃいけない女性と深い仲になる、いわゆる美人局にハメられてしまうのは、よくあるパターンなのです。
ひと昔前は、借金の返済を追い詰めるために、業者は自宅や職場での嫌がらせで努力していましたが、最近は、返済不能者を医療保険にたくさん加入させるってのがパターンです。
そうやっておいて、ここの病院に入れとなるわけで、仮に経営が苦しい病院であれば、持ちつ持たれつってことになるのでありましょう。
入院日額五千円だとしても、10社入れば5万円。一ヶ月で150万円が非課税で入手できるなら、やるかもしれませんわなぁ。
ちょっと前には、保険会社の調査が難しい中国での入院というのが流行り、いくつかの会社がかなりのダメージを受けました。ほとんど公表してませんけどね。

そんなちまちました話じゃなくて、一発で回収するなら死亡保険金。
いわゆる保険金殺人です。
何せ額が大きいから、試したくなるんでしょう。
林真須美は記憶に新しいところです。
ハヤシなのに、カレーって!?いえ、ゴメンナサイ。

借金の返済に生命保険を充てるのは、自殺免責の話からも分かりますよね。
以前は、1年だったものが、2~3年に延びたのは、それだけそういうことをする人が多いってことなんです。
でもって、殺人。
死亡保険金の査定を行っていると、警察は介入していないけど、どう考えても事故に見えないよなっていう案件が結構あります(事故死だと二倍になるタイプが多い)。
警察は、面倒なことはやりたがらないし、テレビドラマみたいな刑事はいない。
ましてや、真相究明に活躍する探偵なんて、聞いたことがありません。
だから、保険会社の査定マンは、ここで相当に能力を発揮せねばならないのです。
事業費に大きく関わることですし、社会正義の観点からも大事なので。

ポイントは、加入動機。

この部分で辻褄が合わない契約は、やはり疑ってかかるべきです。
だってそうでしょう?月給30万の人は、月に15万も保険料を払うハズないんだから。
自分の会社だけ見ていても、そのへんのことは分かりませんよ。
それでも、その人がどうしてその保険に入ったかは、重要な手がかりです。
したがって、自社の営業形態をしっかり理解している社員が、高額の保険金査定部門には必要なんだけど、実際には、営業系と事務系にミゾが合って、人事交流が図れていない保険会社がほとんどなんです。
そもそも、診断書から見えてくるものは、一部であって、全部じゃない。
ここのところ、理解できる会社は少ないのです。
なぜって、見えている材料からは、悪い話が何も出てこない。
そりゃ、そうです、隠してるんだから。
だけど、眼光紙背に徹する社員が少ないため、悪い奴がどんどんのさばっているのであります。
困ったねぇ。いや、それでも保険会社は潰れないんだから、いいと思ってるのかもしれませんね。
やれやれ。