都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

犠打論①

WBCの興奮冷めやらぬうちに開幕したNPBですが、セ・リーグでは大方の予想を覆して広島カープが首位に立っています。

特筆されるのは、13試合を行なって、未だに犠牲バントがゼロだということ。同じく13試合で15犠打の阪神とは、全く違う種類の野球を展開していると言えるでしょう。セ・リーグの場合、投手が打席に入るので、さすがにそこはと思うのですが、今季のカープは6〜8番の下位打者が不振でほとんど出塁しないこともあって、そんな現象が起きました。

まぁそれを差し引いても、上位打線の中でバントをさせないのは、新井監督の明確な意思を感じます。そのことは、過去に何度もリーグ1の犠打王となった菊池涼介を一番打者として起用し続けているところに表れています。

こうしたスタイルは、先に行われたWBCで学びました。

大会を通じて、犠打を記録したのは、全20チーム中8チームのみ。アメリカ・ベネズエラ・メキシコ・プエルトリコ・ドミニカなど、メジャー選手主体の国では、一度もバントをしませんでした。なぜなら、それがMLBの野球だから。昨年からナ・リーグ指名打者制を採用したこともあって、大リーグでは犠打を行うケースがほとんどなくなったのです。このことは、データ的に明らかだとされていて、わざわざアウトを計上する送りバントは確率論として見合わないというのでありました。

一方で、そんなに単純な話じゃないってことは、大会で三つの犠打を記録した日本が優勝したことで証明されたようなものですが、少なくとも試合開始早々に二番打者がバントするような野球はメジャーでは絶滅したと言えます。となると、そういう練習もしなくなるわけで、ペナントレースでのスタイルが、トーナメント方式での戦い方と相容れず、今後どうなっていくのだろうと思いました。

実際、ノーアウト一二塁での送りバントは、シフトによって防がれたりしていて、逆にプレッシャーを感じたりで、そのあたりの駆け引きは微妙です。プロ野球選手のアマチュア時代は、多くが強打者ですから、バントの練習なんてしてなかったですからね。クリーンアップにも要求する原辰徳監督や岡田彰布監督のスタイルは、古いのか? 一石を投じているのが、新井貴浩監督なのであります。

(つづく)