実際のところ、犠打の成功率はどれくらいでしょうか?
2ストライクまで追い込まれて断念したケースもあるので、単純に見ることはできませんが、それでもなお犠打を行なった上での昨季の成否を球団別に比べています。
ヤクルト 企図数108 成功数86 成功率0,796
DeNA 125 102 0,816
阪神 144 119 0,826
巨人 94 73 0,777
広島 144 118 0,819
中日 143 123 0,860
オリックス 134 114 0,851
ソフトバンク 138 110 0,797
西武 102 78 0,765
楽天 117 95 0,812
ロッテ 119 94 0,790
日本ハム 116 98 0,845
リーグ別の成功率を見ると、セ・リーグが0,819、パ・リーグが0,811で、意外にも投手が打席に立つセ・リーグの方が高くなっていました。
普段からバント練習を行う投手の数字が高いのだと思いきや、投手だけの成功率は0,786で平均以下だったのも予想外。投手が行うバントは、守備側がシフトを引きやすいので、ハードルが高くなるってのがあるかもしれません。それよりも、パ・リーグの内野の方が上手く守っているってことも言えるでしょう。
また、ソフトバンクを除いては、バントの企図数が多いチームほど、成功率が高いってことが分かりました。
次に、個人別で見ると…
【22年シーズン犠打数ランキング】
1位 甲斐拓也(ソフト)38回 成功率0,864
2位 菊池涼介(広島) 32回 成功率0,941
3位 岡林勇希(中日) 22回 成功率0,957
高部瑛斗(ロッテ)22回 成功率0,846
5位 今宮健太(ソフト)19回 成功率0,864
中野拓夢(阪神) 19回 成功率0,731
7位 伏見寅威(オリ) 16回 成功率0,800
9位 福田周平(オリ) 14回 成功率0,875
愛斗(西武) 14回 成功率0,824
多くの球団では、バントするのが特定の選手に偏る傾向にありましたが、オリックスでは吉田・杉本以外のほとんどの選手にさせようとしていました。中嶋聡監督の好みだと思いますが、実際問題としてオリックスはリーグ優勝しているわけで、案外選手への意識付けということでは意味があるのかもしれません。
ちなみに投手での最多は大貫晋一(DeNA)と伊藤将司(阪神)の11回。二人とも失敗したのは一度きりで0,917と高い成功率を誇っています。芸は身を助けるとも言えるでしょう。