バントの成功率と言っても、条件によって、結構な差異があります。
無死一塁の場合、9割程度を見込めますが、無死一二塁だと75%ぐらいまで落ち込みます。
その打者が投手だと、5割にしかならないのは、絶対に送ってくるとの前提でシフトを敷かれるからです。タッチプレーじゃないってとこが大きい。だから、その局面では監督の個性によって、作戦が分かれます。原辰徳監督なんか、バスターが好きなようだけど、これを成功させるのは技術的にかなり難しいんです。このあたり、投手出身かどうかでも、分かれるところでありましょう。
そういう意味では、無死二塁からの投手による送りバントの成功率が高いのが面白い。
また、リードしているときとビハインドの場合、それぞれの点差、中盤か終盤か、あるいは先攻か後攻かによって守備体形が変わります。そんな細かい野球がジャパニーズスタイルであり、負けたら終わりのトーナメント方式での闘いに有効なのです。
ただし、ペナントレースでの闘いにおいては疑問。わざわざアウトを献上する作戦でありながら、成功率が100%じゃないってとこ。大量点に結びつかないってとこも、フライボール革命のメジャースタイルと相容れないのであります。
(つづく)