宮沢賢治を読んで童話のジャンルも捨てたもんじゃないと思い直し、10年くらい前に購入して放ったらかしていた『びりっかすの神さま』(岡田淳著・偕成社文庫)を取り出しました。書店でまとめ買いしていたときに、小学校の推薦図書だというアイキャッチに惹かれたのですが、後回しで積んどくの仲間入りをしていたものです。
童話よりはちょっと上の層を狙った児童文学の世界は、深いものがありました。
ストーリーは、転校生である主人公が、転入したクラスで背中に翼のある男を目撃することから始まります。 その男は、成績最下位の人にだけ見える神さまでした。 やがて、クラスの子どもたちは競争や勝ち負けについて考えはじめます。 一番になるよりも大切なことは何かを描いた物語。昔のNHKドラマ『中学生日記』を思い出しました。これ、小学生には是非読んでもらいたい。
ちなみに、びりの語源は尻だそうです。びりっけつだと意味が強過ぎるので、びりっかすにしたんじゃないのかなぁ。どうでもいいけど。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 16点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 16点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点
【読後感】爽快感・リアリティ・オススメ度 20点
【合計】87点