日曜夕方のヒットアメニといえば、『サザエさん』の前座を務める『ちびまる子ちゃん』です。
この国に勢いがあった昭和40年代を舞台に、平均的中流家庭で伸び伸び育った作者が、少女時代を思い出しながら描いたエッセイ風の漫画。
子供になったり、大人になったりしながら、善悪を行き来する新宿二丁目みたいな主人公は独特でした。
何よりセンセーショナルなのは、タイトルに「ちび」と入れたことだと思います。
『おそ松くん』のチビ太以来でしょうか?意外に、イヤがられる呼び方かもしれません。犬っぽいしね。
みんなが選ぶ5大蔑称というのがあります(ないけど)。
ハゲ・デブ・ブス・バカ・チビだというのは、皆さんご存知のとおり(知らないかもしれないけど)。
子供でもわかるように短いフレーズにまとめ、カタカナに「言っちゃっていいのかな」と少しのためらいの意味を込めています。
悪意を全開させるのは、語間を伸ばすこと。3文字に変化させることで、ダメージが倍加するのです。
これに順位をつけるなら、5番目でしょうね。チビは。将来性もあるわけだし、それほど他人に迷惑なわけでもない。
だけど、本人はそう考えていません。整列したときに、一人だけ違うポーズをとる屈辱は、心のキズとして残ります。
そして、教室でも必ず前列へ。
先生のそばにいることで、対立関係は生まれず、むしろ媚びるようになる。
お笑い芸人に小男が多いのは、そんな生い立ちが影響しているような気がします(思いつきだけど)。