都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

鯉のアライ

思っていた以上に広島カープが躍進しています。

交流戦を終えて、2位阪神・巨人に3ゲーム差。

投高打低、混戦のセ・リーグの中で、抜け出した理由をまとめてみました。

 

(1)防御率ナンバーワンを支えるもの

何と言っても12球団トップの防御率2、18を誇る投手陣の存在は見逃せません。6回までを安心して任せられる先発投手の駒が揃っている上に、救援投手のレベルが高く、我慢比べがチームカラーとなっています。だけど、投手力ということで言えば、阪神や中日も遜色がない。むしろ、陣容的に上回っているとさえ思えるのに、実際にはカープ投手陣の成績がトップである不思議。その答えは、カープ鉄壁の内野守備にあります。守りに関する指標にファインプレーをカウントするものがないので、データで示すことはできませんが、一塁堂林・二塁菊池・三塁小園・遊撃矢野の守備陣は鬼です。ゴロさえ打たせれば、高確率でアウトにしてくれる。この信頼感・安心感は投手にとって絶大です。希少となった天然芝が本拠地であることで、技術や戦術(ポジショニング)に磨きがかかっていることも見逃せません。それは、不慣れな相手チームに仕掛けた罠でもあるんです。

(2)見逃せないベテランの存在意義

日本ハム辰年セブンと言って、万波・田宮・水野・矢澤・金村・奈良間・野村の売り出しにかかっています。いずれも2000年生まれで、これに水谷瞬(23歳)が加わったオーダーは若さではち切れんばかりです。そういうのって切磋琢磨の相乗効果が期待できるわけですが、逆境に陥ったときの支えとなるベテランがいません。リーダーがいないってこと。中田や西川や近藤…みんな出て行っちゃいましたからね。一見、監督はやりやすいかもしれないけど、手が回らなくなるんです。細かいところが見えなくなる。一方、カープには生え抜きのベテランが各ポジションの手本となっています。投手は大瀬良、捕手は會澤、内野は菊池、外野は松山。若い選手に教えるのは、コーチじゃなくて、先輩の背中なんです。チームは家族だってそういうことなんだなぁ。

(3)秋山翔吾が外野守備を変えた

外野守備も安定しています。それは、秋山翔吾がセンターを守っているからです。強いチームは、センターが両翼の選手に声をかけて、ポジショニングを決めているってところ、重要なんです。新庄剛志が現役時代、日本ハムの外野守備がスゴかったけれど、彼が稲葉篤紀森本稀哲に絶えず声がけしていたのを思い出します。カープでその役が秋山翔吾。やや不安視されていた末包昇太や二俣翔一が、外野守備を無難にこなしているのには、そんな理由があるんです。

(4)走塁に蓋をしないこと

盗塁企図数の68は、両リーグを通じてNo. 1です。失敗数の32も抜けている。これは、新井監督が自分が責任を持つからどんどん走れと公言し、選手たちに積極性を前面に出すよう指示しているからです。走る前に牽制でアウトにケースも多く、そのことは他チームに知れ渡っています。それが、相手投手や捕手にイヤなイメージを植え付けていて、そこそこのプレッシャーを相手ベンチに与えているのです。特に、三塁盗塁の仕掛けにも躊躇がないのは、発明とも言える。近年、守備方のフォーメーションが進化して、よそのチームは三盗をほとんどやりませんからね。

そして、どんどん走るもう一つの理由は、カープのレギュラー選手に鈍足がいないということです。長距離砲がいない代わりに、ドタドタ走る選手もいない。中軸が走れないとヒット3本でも点が入らなくなるってこと、感じたことありませんか? 常に全力疾走で、ヘッドスライディングを厭わないのがチームカラーなのです。

(5)捕手の使い分け

身体を鍛えたスポーツマンと言えど、毎日のように試合や練習をこなし、各地を転戦するプロ野球選手は大変です。特に、セ・リーグでのカープは移動距離が一番長い。だから、時には身体を休めたくなります。特に、捕手は重労働なので疲労が溜まりやすい。そこで、正捕手である坂倉将吾を程良く休ませ、會澤翼や石原貴規を起用しています。これには、リードスタイルが変わり、配球データが読みづらくなるというプラス面もあるのです。そうした配慮は、シーズン後半へ向けて、選手層を厚くする意図もあるのです。

(6)選手のプライドを守る

中日や阪神を見ていると、一軍二軍の野手の入れ替えが頻繁に行われています。二軍行きは懲罰人事。ちょっと打たれたり、打てなかったりすると、交替を求められる。それでは選手が育ちません。何クソっと頑張れるのは、若手の場合であって、今更のように二軍の試合に出場するのは、落第して進級できなかった生徒の心理にも似て、いいことはないように思います。人を見て法を説く。あらゆる社会において一番大事なことは、選手のプライドを尊重することです。カープでは、余程のことがない限り、状態が悪くてもベテランや主軸選手を二軍に落とすようなことはしていません。それは、プレー以外の役割にそれぞれの自覚と責任感があると信じているからです。

今季は新井監督が「耐えて勝つ」を体現しており、後半戦に向けて明るい未来が開けているのであります。