昭和50年代の洋楽ヒットチャートを席巻していたのがスウェーデンの男女四人コーラスユニットであるABBAです。
『ダンシング・クイーン』を始め『マネー、マネー、マネー』『SOS』『ヴーレ・ヴー』など数あるヒット曲の中で、私が最も好きだったのが『チキチータ』です。音楽は詩を気にせず、メロディとリズムで楽しんでいたので、意味なんか分かりません。何語さえも分からないけど、歌い出しの「チキチータ〜ホニャララ」の最初だけは意識していました。
で、今さらのように調べてみたら、チキチータは、スペイン語でおチビちゃんとかお嬢ちゃんという表現のようです。だから、「チキチータ・ディメ・ポルケー…」と歌っているのは、「お嬢ちゃん、何故なのか言ってよ」という意味らしい。知らんかった。
ここでハッと気付いたのですが、今どきは一つの耳慣れない言葉が出てきたとしても、スマホで検索して直ぐにその情報を広げることができる。曖昧にしたままでなく、言語の壁を超えて簡単に確認することが可能だってことです。そして、それは使う人次第。深まるかどうかについては、個人差が広がりそうで、21世紀の頭が良いってそういうことなんだと思ったりしました。
五輪の卓球中継で、やたらと普通の用語として使われていたのが「チキータ」です。「チキータ」とは、台上でボールに横回転や縦回転をかけて相手に攻撃を仕掛けるバックハンド打法のひとつで、ボールにかかった回転の影響を受けづらいため、主にレシーブの際に使われると言います。
もともとは横回転をかけて返球するもので、それがバナナのような軌道を描くことから、バナナのブランド名が名前の由来になったんだそうです。ひと昔前のNHKアナウンサーは、避けた用語かもしれません?
オリンピックが終わるたびに、新しい言葉がたくさん入ってきますが、脳内のキャパを超えていくわけで、埃をかぶった固有名詞からどんどん消えていくのは、そういうことなんだなぁと達観しているのであります。