8月15日は、日本人にとって忘れてはいけない「終戦の日」です。
テレビでは、ワイドショーをはじめ、いろんな形で戦争を取り上げておりましたが、NHKのドラマは秀逸でした。
椰月美智子という作家の児童文学『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』をドラマ化したものです。
小学校6年生のスケボー好きの男の子が、神社の管理人をしている田中さんと出会います。田中さんは終戦後70年、神社の敷地内で一人ぼっちで暮らしてきました。拓人は田中さんとの交流を深めていく中で、田中さんの戦時中の体験を聞きます。そして、拓人は田中さんのことをみんなに知ってもらいたいと思い、田中さんに戦争の語り部となってもらうようにお願いします。
とまぁ、たったこれだけ。これを脚本と演出の力で現代社会の小さな問題点を掘り起こしながら、グイグイと惹きつけていきます。
謎の老人を演じた岸辺一徳が素晴らしい。何でしょうね、ぼそぼそ語りかける棒読みにさえ聞こえる独特のスタイルは、決して上手い役者ではないと思うんだけど、元ミュージシャンだからでしょうか、間の取り方がいいんですね。いつの間にか聞き入ってしまいます。
ドラマの終盤に、チョコバナナが伏線回収として触れられるのも涙腺を揺さぶられました。たったそれだけのことで、友情を表現する凄さ、脱帽です。
いやぁ、これはみんなに観てもらいたい。特に、小さい子供に。
NHKプラスでは、8月22日までご覧になれます。こういうの、学校の教材として使って欲しいなぁ。