桂枝雀の落語のマクラに、地球最後の日が近づいてロケットで宇宙へ脱出する際に、人数縛りがあるから役に立つ人から順番に連れて行くというバカ話があります。
「ダーレ、ツレテキマスカ?」
なんか、よくわかんないけど、外国人っぽい喋り方で問いかけていきます。
「そうですね。食べるものが必要ですから、まずお百姓さんを乗せましょう」
これも誰だかわかりませんが、決める人が言うんでしょうね、乗せる順番を決める人。
そんな調子で、決定権を握る外国人との間で、社会インフラを支える人やモノづくりに携わる人が次々に選ばれていきます。
そして、いよいよ落語家の番。
「ツーギ、ダーレ、ツレテキマスカ?」
「そうですね、あと残ってるのは落語家という…」
「ラクゴカ?ソレ、ナーニスルヒトデスカ?ウーン、ソンナノ、セイカツニヒツヨーアリマセンネ。オイテイキマショウ」
かくして、ロケットがドーンと。
職業に貴賎なしとは言え、重要度合いは違うわけで、それを言われちゃうと、なんだかモゾモゾします。
自分の位置付けは、どのくらい?
それがエッセンシャルワーカーの話です。本質的な労働者って?
うーん、別になくたっていい仕事というのも結構ありますね。エッセンシャルねぇ?