シーズン本塁打の日本記録としては、長い間王貞治が55本で、2013年にバレンティンが60本を打つまでは、忖度するかのように皆が54本や55本で止めておりました。しかしながら、アジアというくくりで見ると、2003年に韓国プロ野球で李承燁(イ・スンヨプ)が56本を打っていたのです。李承燁は、その後日本でも活躍し、日韓での通算626本は、王貞治の868本、野村克也の657本に次いで第3位。もっと評価されていてもいいようなものの、日本のプロ野球は韓国のそれを下に見る傾向にあり、合算するなんて発想はありません。
一方で、イチローの通算安打数は日本で1,278本、MLBで3,089本、合計した4,367本が世界一であると日本のマスコミは報じました。
これに噛みついたのが、MLB単独で4,256安打の記録を持つピート・ローズで、日本のプロ野球の記録をカウントに入れるなんて、3Aの成績を加えるようなものだというのはまさに正論です。アメリカのプロ野球にしても日本のプロ野球を下に見ているわけで、ワールドシリーズが日米間で行われるなどということは、大谷翔平みたいな選手が同時に20人ぐらい現れないと無理でしょうね。アメリカの野球は、もともとアメリカ人だけで成り立っているわけじゃありませんから。
さて、球聖と称されたタイ・カップよりも上をいく4,256安打を放ったピート・ローズは野球賭博に手を出したため、球界から永久追放となり、当然の如く殿堂入りも叶わず、憐れな末路を辿り鬼籍に入りました。江夏豊が重なります。
享年83歳。合掌。