満島ひかりという女優さんは、不幸な演技をさせたら日本一だと思います。
ほうれい線が目立つからなんでしょうけど、ときどきスゴいお婆さんになったように見えたりして、コンディションの良い時とのギャップが激しい。それが、誰にも真似できない顔芸になっているんです。竹中直人が笑いながら怒る人を演じたように、笑いながら泣くのがとても上手い。お金持ちのお嬢さんは、そんな顔、しませんからね。不幸が似合うってのは、そういうとこにあるんだと睨んでいます。歯を食いしばって生きている感じ。
誤解のないように言っておきますと、私は彼女のファンでして、『Woman』で初めて観たのが衝撃だったし、『カルテット』での好演も忘れられません。キレイな顔立ちもさることながら、棒読みスレスレで吐き出すようなセリフにも気持ちがこもっている、そう思っています。
本日、山から降りて来たので、久々に映画鑑賞に行ってまいりました。評判の『ラストマイル』です。
いきなりの大爆発で、ドラマが始まりますが、こういう大音響は映画館ならではのもので、ゾクゾクします。
ストーリーは、外資のAmazonとそれを運ぶヤマト運輸、さらにはその下請け会社を思わせる設定で作り込まれており、実際に起きたいろんな出来事を重ね合わせると、なるほどがいっぱい詰め込まれているのが分かります。
テレビドラマ三作分の要素を取り入れていることもあって、俳優陣が豪華なこと、この上ない。そんな中で、火野正平と阿部サダヲの存在が、光を放っていました。上手いなぁ。ホントにいる人みたいな没入感です。
この映画、是非、映画館で観ていただきたいです。あっという間の130分でした。お見事!