ワールドシリーズは、ヤンキースとドジャースの名門対決となりました。
同時進行のNPBクライマックスシリーズに比べると、スケール感の違いが否めません。何と言ってもパワーが違う。やはり、ホームランは野球の華なのであります。確実に得点が刻まれるので、3点がセーフティリードじゃなくなるってとこ。毎試合のように、サッカーの試合を見ているみたいな得点経緯は、金利の低い国債投資みたいな感じ。面白みが薄いんです。ドキドキが少ない。
特にセ・リーグの試合でそう思わされるのは、DH制がないからです。
ピッチャーが打席に立って問題なのは、打率よりもむしろ出塁率なんです。出塁しない率。投手が四球を選ぶなんてことは、ほとんど起こらず、90%近い確率でアウトが計算されてしまう。そりゃ、面白くありませんわ。
肩を故障した大谷翔平が活躍できるのもDH制があったからこそ。ドジャースにしろ、ヤンキースにしろ、DHがなければ打線の迫力がガクッと減退するのは火を見るよりも明らかです。
セ・リーグでは、原辰徳監督時代にジャイアンツが導入申し入れを強硬に主張しましたが、広島・中日がキッパリNOを突きつけて実現しませんでした。噂では、レギュラー選手が一人増えると年俸総額が高騰するというのが理由らしいけど、それはあまりにみみっちい。夢を売る仕事ですからね。
今や世界中の野球シーンでDHを導入していないのは、日本の高校野球と東京六大学野球、それにセ・リーグだけです。いずれもが過去にこだわりを持って、変わろうとせずにしがみついている。時代に取り残されています。
ちなみにカープの場合、みんながDH制を採用している二軍戦において、ときどき投手を打席に立たせています。これをやっているのは14球団でカープだけ。少しでも打者にチャンスを与えるべき育成の場なのに、自らブレーキを踏むような姿勢は意味が分かりません。チームの応援はしているけど、球団の度を越した保守的な姿勢には、疑問だらけです。と、ドラマチックな一気の4位転落で、正気を失っているのであります。