政治を数の論理で言うならば、集票に最も効果的なのは宗教団体の利用でありまして、自民党は今や公明党とは切っても切れない関係なのですが、統一教会にしても、裏方の応援団としての利用価値があり、特に安倍派がその恩恵にどっぷり浸かっていたのであります。今回の選挙の争点にならなかったのが不思議ですが、それは石破総理に跳ね返ってくるからで、野党もそこのところを突けばいいのにと思ったところ、立憲民主党にしても枝野幸男や岡田克也ら14人の議員が接点を持っていたので言えなかったらしい。逆に言えば、統一教会が巧妙だったということ。まぁ、政治家サイドからすれば、まとまった数のエサがぶら下がっていれば、主義主張に関係なくなんだって食い付きますからねぇ。悲しい性なのであります。
で、いろいろ調べていくうちに『日本会議』という謎の団体にぶち当たりました。
そんなことも知らなかったのかと笑われそうですが、知ってた人は笑ってください。
この組織こそ安倍政権のコアな応援団となっている日本最大の右派組織で、会員は3万8千人、日本会議に呼応する日本会議国会議員懇談会に名を連ねる衆参両院議員も約280人を数えるんだそうです。組織運営の中枢を担うのは、新興宗教団体『生長の家』なんだと。そして、これを支えているのが神社本庁ですって。
そう、少し前まで日本会議に集うような宗教右派は、極論を唱える「危ない勢力」と認識されていました。ですが、中国の経済成長などで日本の国際的地位が相対的に低下し、国内でも格差や貧困が広がって不安や焦燥が社会を覆うなか、日本会議的な主張に共感する層はうっすら広がっているんです。何よりも安倍政権の存在が彼らを勢いづけました。
①元号への過剰なこだわり
②皇室奉祝運動
③教育正常化の名のもと、教育勅語の復活や歴史教科書編纂
⑥憲法改正提唱
などが、彼らの主張です。選択的夫婦別姓へ断固反対とか愛子天皇の否定ってのも入れるべきかも。なんだかまるまる竹田恒泰ですね。
いや、日本会議と連携する国会議員は超党派でありまして、自民党に限らないっていうのも特徴的なんです。
だけど、反対意見を矛盾だらけの論理と数の力で押し込んでいく独裁的なやり方は、やっぱり承服し難いものです。
適度の緊張感を持ちながら、一方的な議論にならない議会運営は、むしろ健全だと思うのであります。