都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

もう、ええでしょう?

警察関係の隠語は、民間にも広まっていて、ホシとかメンとかシマなんてのはドラマの影響で一般用語と言えるかも。

中級編では、漢字の部首を犯罪に当て込んでいます。

「ごんべん」は詐欺事件、「さんずい」は汚職事件、「にんべん」は、偽造事件となり、パスポートや運転免許証などの偽造を仕事としている人を「にんべん師」と呼ぶこともあるそうです。

近年は、高齢者をカモにする詐欺被害が増えており、警察もこれに呼応するように対策を強化しておりますが、プロがプロを騙すような企業がらみの本格的なやつに対しては本腰を入れておらず、野放しとは言わないまでも、おろそかになっているようなところもあります。企業が何とかしなさいと。

そういう詐欺の中で、金額的な最上級は「地面師」と呼ばれる不動産詐欺でありましょう。基本的に、ターゲットは儲かってる企業、もしくは大金持ちなので、罪悪感は薄れるかもしれません。実際に大手デベロッパーである積水ハウスが見事に引っ掛かり、大きな話題となりました。結局は一網打尽に逮捕されてしまったんですけどね。この手の話には、表に出せないようなことも多くありそうで、掘り下げるともっとドロドロしているハズだと。私は、一つの事件だけが突出して起こることはなくて、公にできないような裾野の話がそれなりに広がっていると睨んでいます。

 

『地面師たち』(新庄耕著・集英社)は、小説よりもNetflixの方で有名になり、あちこちで話題になっていたのでドラマで見た人が多いと思います。これはWOWOWドラマなんかもそうですが、地上波のテレビと違ってスポンサーやタレント事務所の影響を受けず、表現の自由が守られているところが最大の魅力なんですね。だから、大手企業で起きた不祥事を題材にした作品が次々に描ける。少し前のサラ金なんかもそうだけど、パチンコの業態にワイドショーも含めてメスが入らないのは、大口の広告主だからです。

で、小説ですが、なんか物足りないと感じたのは、登場人物のキャラが充分に活かされていないように思うためです。ストーリーとしては、よくできているんですけど…あとちょっと足りない。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 20点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 16点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 15点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点

【読後感】爽快感・オススメ度 18点

【合計】87点