子供の頃に空き地でやっていた草野球では、学年を飛び越えたチーム編成で、適当にハンデを与えながら仲良くやってましたが、年上の兄ちゃんたちに交じって加わっていたヒロシくんは、どうしても打球が前に飛びません。
空振りはしないんだけど、チップやファウルばかり。
そこで誰かが、野球の公式ルールでは、ファウルを36回打ったらアウトだと言い出しました。
根拠なんか調べようがないので、強く主張すれば通ります。そんなもんかと。以来、私の中ではファウル36回です。ないけどね。
ところが、今年9月22日の広島中日戦で、カープの矢野雅哉選手が一打席における投球数22のプロ野球日本記録を記録しました。このうちファウルが17で、これも新記録。これまでは、一打席投球数19だったと言いますから、大幅な更新です。ちなみに、相手投手の涌井秀章投手もほとんどストライクを投げていたのだからアッパレです。結局は四球でケリがつきました。
この矢野選手、ファウル率は両リーグ通じてダントツの一位で、一打席当たりの投球数4、4とヤクルトの村上宗隆に次ぐ二位。簡単に打ち取られない粘っこいバッティングで、打率以上にチームに貢献している様子が見て取れます。
昨夜のNHKBS『球辞苑』を見ていたら、矢野雅哉のそれ以外の両リーグナンバーワンが二つ紹介されていました。
一つはヘッドスライディングの回数で、これは二位にダブルスコアの大差で寄せ付けない独壇場。確かに、プレーを見ていると頭から突っ込むベースランニングがむしろ普通で、闘志に溢れ、チームを鼓舞しているのが伺えます。
もう一つは、守備におけるスライディングで、飛びつくだけだったらみんなやってるんだけど、追いついてから態勢を整えて強肩でアウトにするってとこが、簡単には真似できない職人芸です。
毎年、オフのトレーニングで菊池涼介に教わっていることが、全て身になっている感じ。心配なのは怪我なんだけど、こればかりは仕方ないのかも。来季のさらなる飛躍を期待しております。