都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

自分の頭で考える日本の論点

出口治明という人がいます。

昨年まで立命館アジア太平洋大学の学長を務めておりましたが、博多華丸大吉のCMでお馴染みのライフネット生命の創業者と言った方が通りがいいかもしれません。

生命保険なんて、トップが誰であろうと関係ないようなガチガチのルールに縛られた保守的な業界ですが、この人はそういう意味で異端の人で、人材登用も含め、チャレンジの塊でした。というか、道を造った後は変わり身も早く、多才なのでやりたいことがいっぱいあったんでしょうね。

とにかく、知識の幅が半端ない。博覧強記とは、この人のためにあるような言葉で、週に5〜6冊の本を読むというのも嘘偽りはないでしょう。

特に、歴史に詳しく、週刊文春にも連載を持っていました。

なるほど、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(ビスマルク)ですか。勉強になります。

 

先日、ブックオフで『自分の頭で考える日本の論点』(幻冬舎新書)を見つけました。

スゴいですよ、この本。専門家の間でも意見が分かれるような現代社会の22の問題点を整理して、提示してくる。総理大臣になったような気持ちにさせられる一冊です。

特に考えさせられたのが、

・大学は国際化の流れへと進んでいくのだから、成長産業であると位置付け、世界中から優れた留学生が集まるような方策を練るべきであり、そのためには始期を世界基準に合わせて9月入学とするのがよい。

イノベーションを生む土壌はダイバーシティである。同質の人間がいくら集まっても突飛なアイデアは生まれない。

・移民や難民は、心身共に頑健で強い意志を持った人が多い。歴史的にはそういう進取の精神に富んだ人々を受け入れた社会が繁栄している。

・人を雇うということは、その人が病気になったり、年をとって働けなくなったときに責任を持つということである。だから社会保険料を払えないような企業は人を雇う資格がないのだ。

チャーチルは、「選挙に出る人間にロクなものはいない。選挙とはそのロクでもない人たちの中から少しでもましな人を選ぶ忍耐だ。民主主義は最低の政治形態である。ただし、これまでに試みられてきた民主主義以外の全ての政治体制を除いては」と言い放った。つまり、人間の貧弱な脳みそは、民主主義よりマシな政治形態をいまだに考え出していないと言っているのである。

 

これがたったの220円。本当は1,210円。学生に読んでもらいたい良書です。