今年最後のブログは、ノンフィクション部門の面白本ランキングです。
右眼を患ったせいもあって、例年よりも分母が少なかったので、ちょっと期待外れかも⁇
2位 コロナと敗戦/失敗の本質(小林よしのり)
3位 1秒で答えをつくる力(本多正識)
4位 九十七歳の遺言(瀬戸内寂聴)
5位 データベースボール(広尾晃)
6位 よなかの散歩(角田光代)
7位 天ぷらにソースをかけますか?(野瀬泰伸)
8位 人間滅亡的人生案内(深沢七郎)
9位 すべての教育は洗脳である(堀江貴文)
10位 超コミュ力(田村淳)
今年度圧倒的ナンバーワンは『自分の頭で考える日本の論点』でありました。高校大学と授業はうわの空でボーッとしていた私は、社会に出てからその危うさを思い知ることになります。圧倒的な知識不足、中身がペラッペラです。だから、こういう本に出会うと目からコンタクトレンズなんです。池上彰本よりも、双方向性が高いってとこが素晴らしい。高校の教科書にしてもらいたい一冊です。
2位はコロナの総括です。騒ぎは収まったものの、インフルエンザが5類に加えられて、結局は医師会の一人勝ちになっているのが虚しい。多くの国民が、必要以上に医者の立場を持ち上げているってとこに、問題があるんですけどね。
3位は吉本お笑い養成所の講師が書いた本です。授業料は、年間に33万円もかかるんだけど、それだけの価値を創り出している自負があるらしい。なるほど、興味深い内容で、お笑いは科学であるって話、刺さりました。
瀬戸内寂聴という人は、若い頃はドロドロしていてスキャンダラスな別世界の生き物だと思っていたのですが、歳を重ねるにつれて角が取れ、どんどん丸くなっていきました。その生き方がカッコよくさえ見えるようになる。信仰の力なんですかねぇ。著書も興味深く読ませていただきました。有り難い。
5位は、スポーツライター広尾晃の一冊です。この人、毎日3〜4本のブログを書き続けていて、私はそれを読むのを日課としているのですが、マルバツがハッキリしていて、意見の違う読者とはコメント欄で読んでるこちらが恥ずかしくなるような罵り合いをする、そういう人です。だけど、野球に関する見識が高く、この業界では第一人者であると尊敬しております。
6位は角田光代のエッセイから。 「女子校に在籍したことがある人は、濃淡にかかわらず女子校的部分を持っている」という書き出しで、女子校的なものを「男性を別の生物とみなしており、根本的理解はあり得ないと無意識に思っている」「理想の男性像があり、そんな男はいねえよと思いつつも、その理想を捨てられない」「悪口で盛り上がるすべを知っており、全く悪口を言わない人を友人と見做さない」「写真を撮るとき、おすまし顔が出来ず、わざわざ変な顔、変なポーズをとる」「人間関係のバランスに妙に敏感」と定義しているのが核心をついていて胸に刺さりました。
7位は食文化に関する考察本です。あちこちで生活したことがある私にはツボでした。
8位は何を言っているのか、よく分からない話が多いんだけど、それがまた人生であると気付かされています。
9位はホリエモンの垂れ流しです。教育論。聞き過ぎるのはよくないけど、学ぼうとしないのはもっとダメ。自分の頭で考えろが持論の堀江氏らしい一冊です。
10位は田村淳の『超コミュ力』。要するに、人の話をよく聞きましょうってことですが、ここで気付いたのは、優れたコメンテーターが初球を振らないってことです。何かの意見を求められた時、口火を切らず、誰かの最初の発言を参考にしながら、持論を展開していく手法。カズ・レーザーを見ていて、そんなことを感じました。田村淳は、だいぶ前から実践していたようです。その際、コメントが被らないのは絶対条件で、それは『オモウマイ店』を見ながら分かったこと。一人ゴチています。
以上、今年の読書、総決算でありました。どうぞ、良いお年をお迎えください!