大学時代、ほとんど授業に出ず、パチンコや麻雀に明け暮れる、本当にどうしようもない自堕落な生活を送っていました。
親は知りません。毎朝8時には実家から出かけているので、まさかそれがパチンコの開店時間に合わせてのものだとはつゆ知らず、真面目にやっていると信じていたと思います。
そんな生活に疑問を持っていなかったのは、同じようにパチンコ通いを続ける年齢不詳の仙人みたいな学生が数人いたからで、彼らの落第を恐れていない態度が清々しく、そういう人たちよりはだいぶマシだと楽観していたのです。中学からの私立で落第生を100人以上見続けてきた私の場合、ギリギリで耐えるノウハウが蓄積されていたので、道を踏み外さないよう進級する能力には長けておりました。
いわゆるクズとの付き合いによって、いろんなバリエーションを熟知しているので、ここから先はやったらダメだと理性が働くのです。
いやぁ、怠惰な人間の思考パターンは、自覚のない幸せ(学費を投資し続ける親の存在)に支えられている、そう思います。
で、あんまりよくわからないで書いておりますが、YouTubeに『オモコロチャンネル』というのがあって、登録者が43万人いるんだそうです。
「ゆるく笑える」というコンセプトのもと、いろんなジャンルにわたる不真面目なコンテンツが売りで、脱力系のWebメディアとして支持を集めていると言います。その中に30歳まで無職という経歴をもつ人気ライターであるマンスーンという人が所属していて、自身のクズっぷりをエッセイ『無職、川、ブックオフ』(素粒社)で赤裸々に描いています。これが相当売れているらしい。早速、Amazonから取り寄せました。
う〜ん、独特の文体です。誰に向かって発信しているんだか、よく分からない。分かりたくもない。
いるんですよねぇ。能力は余るほどありながら、社会に背を向けてサボり続ける人。触媒となるような出会いがないと、化学変化は起きません。
きっかけさえあれば、爆発するかもしれないんだけど…。
本書では、マンスーン氏の行っちゃった系の危うい文章が擦り付けられており、体調が悪い人には薦められませんが、随所に紙一重の才能が散りばめられているのも確かです。その強弱、凸凹は何とも言えないところでして…立ち読みで良いと思います。いや、変な伝染ウィルスがあるっぽいので、無菌状態で育った人にはヤバいかも? 心が汚れてる自覚がある人のみ、影響を受け過ぎないよう注意しながら読んでみてください。